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米国・EU間の個人情報交換についての規制における進展

2016年6月2日、米国及びEUの代表団による司法及び総務にかかる事案についての会合が開かれた。この会合において、特に、米国とEU諸国間における個人情報の交換についての法の適用について話がされた。 この趣旨において、米国及びEUは法の適用に従った個人情報のやりとりを規制する枠組み合意に署名した。これはEU諸国と米国との間での個人情報の交換を規格化する計画の一部をなしている。 先の当事務所の記事でも述べられている「EU-US Privacy Shield」の創設と同様、この合意は、行政と私的団体との協力のためのセキュリティの枠組みをつくり、個人情報の交換を規制することを意図している。 この規制は、当事務所の別の記事によって述べられている欧州司法裁判所の2015年10月6日付判決に起因する。当該判決は、個人情報保護に関して米国を「セーフハーバー」とした欧州委員会の決定を無効とした。 本枠組み合意は欧州議会によって追認されなければならないことには留意されたい。 なお、追認される日について現時点では未定である。 より詳細な情報については、下記までご連絡ください。 Ismael PERALTA: ipv@vila.es

ディストリビューション契約における顧客網の補償

非典型商事契約であるディストリビューション契約の本質的な特徴の一つは、解除条項にかかる規定の存在と、契約期間の定めのない契約である場合には契約当事者の一方の意思によって取消しが可能であるという点にある。 ディストリビューション契約にかかる特定の法令はなく、1992年の代理店法(Ley de Agencia)の規定の類推適用及び多くの判例規範によって規制される。これらの契約における最大の争点は、契約解除によって生じる影響に根ざしており、特に顧客網についての補償の根拠とその定量化がポイントといえるだろう。 最高裁は2016年5月30日付判決(Ron Brugal事件)において、補償金額の上限を算出するための概念を明らかにし、この問題について一歩踏み込んだ。 第一に、ディストリビューション契約に代理店法第28条の規定内容が、多様な形で適用されるとされた。当該条文は代理店又はデゥトリビューターが受け取るべき具体的な金額については定めておらず、上限を規定するに留まっている。問題は「報酬(remuneración)」といったときに、経営者が対価として受け取った全ての金額を指すのか、また純利益(remuneración neta)ではなく粗利益(remuneración bruta)の金額なのかをいかに定めるかという点にある(2015年6月3日付最高裁判決)。 代理店の場合に適用される総収益としての「報酬」の規範はディストリビューション契約の場合においても用いられることはできるが、2010年2月22日付最高裁判決で強調されるように、ディストリビューション契約の特殊性を考慮しなければならない。すなわち、各ディストリビューション契約の特殊性に従属するものの、基本的な指標基準として機能することができる。2007年6月22日付判決では、この問題は当事者間の意思に基づき解決されるべきと提案したうえで、顧客網への補償は「商事における譲渡の義務の消滅に関する実際の規定を構成する」ことを認めている。同様に、同判決は、ディストリビューション契約においてはディストリビューターの報酬は仕入価格と販売価格の差額で構成されていると結論づけた。この見解は2015年7月9日付最高裁判決においても繰り返された。 しかしながら、近時の最高裁判例(2016年5月30日付判決)では、2010年2月22日付判決は「仕入価格と販売価格との差額を求めるための計算が粗利益または純利益に基づいてされるべきかどうかという点について結論づけているものではない」としている。反対に、最高裁は、ディストリビューション契約の場合には代理店法第28条の定める数量化の指標基準を用いるものの、当該計算はディストリビューターの純利益に基づいてされなければならない(最高裁判決2007年3月21日)とし、これは費用及び税金を差し引いた後にディストリビューターに残る利益についての割合であり、商品の仕入価格と販売価格の差である利益率についてではなく(最高裁判決2009年5月20日)、その金額が上限となる」とした他の最高裁判決を採用し、言及した。 これにより、最高裁は上告されたマドリード高等裁判所の2013年9月10日付判決において用いられた計算基準を支持した。当該判決の内容は以下のとおりである。 「ディストリビューション契約においては、ディストリビューターは、取引におけるリスクを負いながら、常に自身の名において自己の勘定で行動を行っており、経営者としての報酬ではなく、契約の目的である商品を販売することで得る収益にある対価を得ている。このことから、代理店法第28条にある『報酬』という言葉は、ディストリビューション契約の特異性及び性質に合わせて解釈しなければならず、(a) 通常の売上を上回り、報酬金額の計算に異常な変化をもたらすような、解約通知から契約解除までの期間においてなされた特別販売の価格、及び、(b)明確な取り決めによってディストリビューターが負担すべきとされた費用の額(たとえば、広告費やマーケティング費用等)を差し引いた後のディストリビューターが得た収益と解すべきである。しかしながら、ディストリビューション活動そのものに付随する費用や利益に課される税金は差し引かれない。」(2012年3月12日判決) したがって、最高裁はディストリビューション契約において顧客網への補償が問題となった場合には、ディストリビューターが得た粗利益と補償金額の上限額との平均値として自動的に計算がされることはできないことを確認した。ディストリビューターの「報酬」の概念は、代理店のそれと同じではなく、この理由から、報酬については契約当事者間の合意と当該事案の状況にてらして調整されなければならない。これにより、粗利益の金額は、補償金額の上限となる「純利益」を求めるために、検証されたディストリビューション契約の特異性及び性質から生じる諸要素を適用に合わせて控除がされなければならない。この判例規範は機械的な計算を遠ざけ、代理店法第28条の定める補償金を受け取るための要件が満たされた場合に、顧客網の補償としてディストリビューターが受け取るべき金額の上限を求めるために各事案の具体的な検証を求める。 より詳細な情報については下記までご連絡ください。 Eduardo VILÁ vila@vila.es

定款の一規定と定款作成後に施行された法律との間に齟齬がある場合の解釈 – 2016年3月30日付登記官公証人庁決定

2016年4月13日付官報で公示された2016年3月30日付登記公証人庁決定は、いくつかの定款の規定が資本会社法と相反するような状況について言及している。 ある株式会社(Sociedad Anónima)は、取締役の決議に基づき、本店所在地をそれまでの所在地と同県内にある異なる市町村へと移転した。これは、2015年5月25日付法第9号の資本会社法第285.2条の内容に従うものであった。 しかし、当該本店移転の登記申請は却下された。その理由として登記官は、当該株式会社の定款内に当該決議と相容れない規定があること、具体的に言えば現行資本会社法の施行前に規定された定款第4条が取締役会に与えている権限は、「同一市町村内で」本店所在地を変更する場合に限られ、したがって、他市町村への本店移転は株主総会の管轄であるとした。この却下に対し異議申し立てが提出され、本件は登記公証局の預かりとされた。 2016年3月30日付の決定において、登記公証局は、会社の定款は、明示的またはその本質的に、またはときには間接的な方法で、常に法に従うものであり、それを構成する規定は法令を補足するものであるため、その解釈にあたっては現時点において有効な法規定が適用されると理解されるべきとの見解を示した。 登記公証局は、この規範を本件に当てはめ、このような相反状態の場合における対応ついて以下のとおり述べた。 「当局が繰り返し定めたとおり、株主は、定款で定めるあらゆる事項について、現行法の縛りを受ける(それが法によって明示され、または性質的にそれが適当であるか、または定款によって法令を補足する規定がされている場合であっても)が、定款の規定は株主がその時々の立法者が望ましいと考える補足方法に従う意思を示すものであると解釈されるべきである。この見解を本件における問題に当てはめると、いかなるケースにおいても、本店移転にかかる経営機関の権限を「スペイン国内における本店移転」へと拡大した法改正によって、取締役会に同一市町村内の本店移転の権限を認める定款の規定も拡大されたと解されるべきであるとの結論となる。適用される法規範は上述の法規定であり、その点については登記官も却下通知において認めている。この結論を認めないと、旧株式会社法第149条、または2015年法第9号以前の資本会社法旧第285.2条を定款に反映した株式会社のすべてが、経営機関にスペイン国内における本店移転にかかる権限を認める新法の施行以降、定款の規定を欠く、またはこれら条文を単に参照しているのみであるとの理由によって不利益を被る結果となりかねない。」 本決定は「本件においては、定款において経営機関に「同一市町村内における」本店移転権限を与えているという事実から、経営機関にスペイン国内における会社の本店移転権限を与えることについて株主がそれと異なる意思を有しているとは認められない。」と結論付け、登記公証局は本件異議申し立てを認め、登記却下については取り消した。 より詳細な情報については、下記までご連絡ください。 大友美加 otomo@vila.es

企業向けローンの保証人に消費者及び利用者にかかる法令が適用されるか

答えはイエスである。2015年11月19日付欧州裁判所の見解及び当該見解を採用した2016年4月6日付ポンテベドラ県裁判所の決定によれば、主たるローン契約とその保証契約の結びつきはなくなり、保証人の立場について独立した検証がされている。 今日まで、保証人が自然人である場合であっても、ローンが企業活動または個人事業主の事業活動のためのものである場合には、保証人についても「経営者・個人事業主」と同条件が適用されていた。それにより、消費者及び利用者に適用される有利な法令の適用を受けられなかった。 この基準は上述の欧州裁判所の見解とその後のポンテベドラ県裁判所による当該見解の採用によって変更がされた。ただし、消費者の立場が認められた当該案件では、経営者が、自身の息子が経営する会社になされたローンの保証人となっており、当該会社と保証人との間には、当該会社の株主の父親であるという以外、なんら関係性は存在しなかった。 保証人の消費者の条件の適用を検討するにあたり、県裁判所は不当な遅延利息金に関する条項(通常の利息を20ポイント上回る)について無効と判断した。2015年最高裁判決第265号で最高裁が、消費者及び利用者と締結された契約の場合において、通常の利息を2ポイント上回る遅延利息について不当であると判示したことは記憶に新しい。 これらの判例は、単に親子関係または友人関係に基づいて第三者のローン契約を保証した個人が、不当であると思われるような条件(遅延利息に関する条項等)の有効性について異議を申し立て、保証人が消費者の立場にあることを理由に、そのような条件が無効と判断されるための扉を開いたと言えるだろう。 より詳細な情報については、下記までご連絡ください。 Ismael MARINA SCHNEIDER schneider@vila.es