ESPAÑOL | ENGLISH | DEUTSCH | 日本語 |

Share this post

本稿では、2020年2月20日付スペイン最高裁判所判決にて争点となった、株主間契約の到達点と限界に関する分析を行う。

第一に、具体的案件を検証する前に、株主間契約とは何かを明確にする必要があろう。高等裁判所の判例を参照すると、株主間契約とは、複数の株主が、法律や定款に特別に規定された条項を使用せずに、会社の法的関係側面におけるつながりを強制的に規制することを意図とした契約であると定義できよう。

当該契約の有効性に関し、1951年7月17日付にて公布された株式会社法に、株主間の内密合意を無効と規定していたのとは異なり、現行のスペイン資本会社法第29条は、「株主間で内密にされている契約は、会社に対して強制力を持たないものとする」としており、無効とはみなされておらず、適切に告示されていない場合には、強制力を有しないという注意書き付きで今日には容認されている。

その有効性と限界につき、判例は、当事者の自律的な意思を尊重している限り有効であると追記している。2012年10月23日付最高裁判所判決第616/2012号は、当該契約は会社の定款や株主総会決議に依らず、スペイン民法第1255条「契約当事者は、法律、道徳、公序良俗に反しないことを条件に、適切と思われる合意、条項、条件を設定することができる」という契約の制限に従うことを明らかにしている。

問題はこのプロトコルが、定款に則っていない、あるいは定款に実装されていない、若しくは公表されていない場合に発生し、上記判決で検討されたケースでは、株主間契約に含まれていた株式の譲渡可能性の制限が定款には含まれていない場合に発生した。

当該観点に関し、以前の判決及び本最高裁判決は、株主間契約を違法とみなすには、それ自体が株主総会決議に反するだけではなく、同時に法律、定款に違反している、もしくは、会社の一株主もしくは複数の株主や第三者の利益を害していることが必要となるとの判断を示した。

係争案件において原告は、株主総会決議だけではなく、一連の法的取引(一部の株主による株式のスワップ、売買、贈与)に異議を唱えようとした。異なる株主間における常に同割合での株式保有をグループ会社内で義務付けた、株式の自由譲渡を制限するメカニズムを通じて、創業家株主達が死亡した際にグループ会社の秩序ある承継を目的として数十年前に締結した株主間契約に、被告が反しているというのが原告の論拠であった。

スペイン資本会社法第207条規定にあるように、持分(有限)会社に関し、会社出資持分の譲渡制限を会社定款に記載する事を可能とする法規範は確かに存在する。しかしながら、株主間契約に規定されていた条件には、当該制限には限度がなく、株式の特定分配を恒久的に維持する事を意図していたことと理解すべきである。

上記を踏まえた上で、最高裁は、上記に説明したような無期限且つ恒久的な制限は特定の法規範(資本会社法第107条)に違反するだけではなく、契約の自由、個人の自由、及び財産処分の自由等の社会通念の法的性質の基本原則に違反することになるとして、その適用を拒否する立場を明確にしている。

 

更なる情報を知りたい方は以下までご連絡下さい。

Jaime Madero

va@vila.es

 

2020年4月30日バルセロナにて

Print Friendly, PDF & Email