企業の利益のための行為

改正刑法は、法人が直接又は間接の利益のために犯罪行為を犯した場合、法人は刑事責任を負うとしている。2016年検事局通達第1号(以下「検事局通達」という。)は企業のための客観的な基準について述べており、戦略的利益、無形利益または社会的評判による利益を含む。

実務の観点では、利益は数値化できるものである必要はなく、存在すれば足りる。

監督・監視・管理義務違反

前回の記事において言及したb)の定義に含まれる者によって犯罪行為が行われた場合、改正刑法第31条bisはa)の定義に含まれる個人(監督責任者や役員)による監督・監視・管理義務の重度な違反があることが求められる。

検事局通達はこの点について非常に重要なコメントをしている。コメントによれば、a)に規定する者が不作為により犯罪行為を行った場合にも刑事責任を科す道が開かれた。この見解は非常にシンプルで、コンプライアンスの監督機能を担う役職の取締役は実際の業務の権限を有するコンプライアンスオフィサー同様、検事局の照準が当てられているポジションにあるということである。

検事局通達のこの見解は、将来のコンプライアンスオフィサーにとって好ましいものではない。また、言うまでもなく、取締役や役員の責任を増加することになる。

監督及び管理機能は資本会社法第249条bisに則り委任することができないということは特筆に価する。改正法第31条bisが商事関連法規に従っていることを証明するため、検事局通達は以下のコメントをしている。

「この業務管理または財政管理が、コンプライアンスオフィサーと同様、aに規定する者に追加された新しい行為主体の義務の範囲の外にあり、かつ、その範囲を超えるものであることを強調するものである。」

さらに、検事局通達は、当該権限は委任できないため、機能の委譲と事業の信頼原則それ自体は取締役の弁明としては役立たないとしている。

言い換えれば、取締役はコンプライアンスオフィサーを、取締役に刑事責任が及ばないようにするための保証人として使うことができない。しかし、このことはコンプライアンスオフィサーへの責任追及を免除することを意味するのではない。

 

ヴィラ法律事務所

 

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2016年3月18日

 

 

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