スペインにおいて商事会社を設立する際にまずしなければならないことは、新設の会社のための商号が既存の会社の商号と同じものでないことの証明書の申請である。

スペイン資本会社法及び商業登記規則は、会社の商号は、既に登記がされている既存の会社の商号と同一であってはならないと定めている。

2017年11月27日付登記・公証局決定が出された本件事案において、「Tu Gestoría en Línea」という商号の申請に際し、既に「Gestión de Líneas」という商号の会社が存在し、これらの商号は相当程度一致することから、登記官が当該商号申請についての使用を認めなかった。これに対し、申請者は、申請した商号を使用する予定の会社は既存の会社とその目的を異にし、発音も異なることを主張し、異議を申し立てた。

登記・公証局(DGRN)は本件に関し、商号が唯一かつ新しいものであり、錯誤を生じさせない限り、会社は商号を自由に選択することができることを確認した。そして、商号の同一性といった場合には、法がそれを禁止する目的、すなわち、商事会社間の商号の混乱を避けるという目的に基づいて解釈するべきであり、したがって、完全一致の場合に限るのではなく、商号に用いられる言葉の目的、意味、概念、発音の類似といった商号間の混乱を生じさせるような諸要素を考慮し、「ほぼ一致」又は「相当程度一致」場合には、商号の同一性を認めるべきであると述べた。

ただし、商号が完全に一致又は相当程度一致することを禁止するのであって、単に類似性がある商号を禁止するものではないと説明した。

上述を鑑み、登記・公証局は、商号のテキストに合致が存在しない場合には、登記済み商号に加えられた又は除かれた、商号間で異なる記号又は要素によって、商号に混乱を生じさせ得る類似性の感覚を破壊しないような状態が認められることを同一性の判断基準とすることが合理的であると示した。

本件においては、申請された商号と既存商号との間に、異なる商号であるというに足りる十分な要素(文法的な使用法の違いや発音の違い等)が存在することが認められ、結果として商号申請者の異議が認められた。

 

 

大友 美加

ヴィラ法律事務所

 

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2018年1月19日