去る2月13日発行のスペイン官報で公布された2016年勅令第56号は、エネルギー効率に関する2012年10月25日付欧州議会及び欧州評議会指令第27号を国内法規に反映するものである。当該指令は、エネルギー監査、サービス供給者及びエネルギー監査員の資格証明及びエネルギー供給の効率化促進を規定するものである。(以下、「2016年勅令第56号」という。)

当該規定は、目下のところ達成には程遠い欧州連合の目標「2020年までのエネルギー効率20%向上」に焦点を合わせたものである。

2016年勅令第56号の適用により、大企業は今後エネルギー消費効率の向上のために監査が義務付けられる。加えて、監査員やエネルギー供給者といった専門職に就くための最低限の要件が設けられる。さらに、生産工程、加熱及び冷却時におけるエネルギー効率化の促進についても規定がされる。

1.エネルギー監査

中小企業に該当しない企業には、4年毎にエネルギー監査の実施が義務付けられる。

この監査の適用対象となるスペイン企業の数は約3,800社、およそ27,000カ所の事業所が該当すると試算されている。

2.エネルギー監査員

2016年勅令第56号の主なポイントの一つは、エネルギー監査員の資格要件であり、同勅令第3章に規定されている。エネルギー監査員は、大学または専門教育での学位取得者、もしくは専門の理論及び実技技能を持つ有資格者でなければならない。また、エネルギーサービスの供給者に損害賠償責任保険への加入を義務付けている。

エネルギー多様化・省エネ機関(IDAE)の電子センター内に、エネルギーサービス供給の認定事業者リストの掲示が予定されている。

3.コジェネレーション規定

また2016年勅令第56号は、高効率コジェネレーション及び都市部の冷暖房システムの出力評価を義務付けている。これは、国の発展計画に関する情報を投資家へ開示し、適正かつ安定した投資環境に資することを目的としている。

4.期限

2016年勅令第56号の施行後、2事業年度以上にわたって大企業の条件を満たしている企業は、過去4年以内にエネルギー監査を実施していない限り、9か月以内に第一回目の監査を実施しなければならない。

5.罰則規定

本勅令に含まれる条項に違反した場合、2014年10月15日付法第18号(成長、競争力及び効率に関する緊急対策の承認に関する法律)第80条及び第82条に従った罰則が適用される。

 

ヴィラ法立事務所

 

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2016年2月26日