2016年6月30日、スペイン競争委員会は取引条件および、市場シェアや価格を修正したとする管理組織を構成する様々な会社及び個人を制裁した鉄道インフラに関する決議(S/0519/14)を発表した。

同行為は競争法の違反である。スペインにおいては、同行為は7月3日、競争保護法15/2007および欧州連合の機能に関する条約第101条以降で規制されている。

具体的には、スペイン競争委員会の決定に従い、違反を行なった行為は競争保護法第1条a)およびc)、また欧州連合の機能に関する条約の第101条で明記されている。第一に以下のように規制されている:

「国内市場の全部又は一部における競争を阻害し、制限し、または歪曲することを目的として有し、またはそのような効果を生じさせ、または生じさせるおそれのある全ての合意、集団的決定または勧告、協調的または意識的並行行為を禁止している。同項は、特に次のものを挙げている:

a) 直接または間接的に価格その他の取引またはサービスの条件を決定すること。

b) (…)

c) 市場または供給源の割り当てを行うこ と」

競争保護法第62条第4項に従い、採用されている違反行為には「非常に重大な違反行為」と分類されるものが含まれる。

「以下に挙げるものが非常に重大な違反行為と規定されている。

a) カルテルまたはその他の合意、決定または集団的勧告、実際のまたは潜在的な競合企業間の協調的または意識的な並行行為からなる当該法第1条に定義される共謀行為の展開(…)」

違反行為を犯した結果として、スペイン競争委員会は関連する全ての会社に対する制裁を第63条第1項c)の規定に従い進めた。

「管轄機関は、故意または過失により、本法の規定に違反する経済主体、企業、団体、組合またはグループに制裁を課すことができる: (…)

c) 非常に重大な違反行為については真近の事業年度おける総売上高の10%以下の制裁金が課せられる。」

また第63条第2項で規定されていることに続き、決議は法定代理人および合意または決定に介入した経営管理組織のメンバーに制裁金を課し、制裁された者の名前を含めて全体としての決議を発表した。同第2項では以下のように言及されている。

「前項の制裁金に加えて、違反行為者が法人である場合は、その各代表者または合意または決定に介入した経営管理組織のメンバーに6万ユーロ以下の制裁金を課すことができる。」

特に興味深いことは、制裁が個人である会社の法定代理人だけでなく、代表権限を持たない行政組織のメンバー、例えば経営管理組織を構成するある会社の取締役会の副事務局長にも及んだことである。

よって上記の取締役会の副事務局長は最初に州裁判所に訴え、のち3月28日最終的に最高裁判所において判決(STS430/2019)が下され、最高裁判所はスペイン競争委員会による訴えを認め、該当する上訴を却下し、提起された問題に対して以下の議論を提示した。

(1) 上訴人を含めることは、取締役会の副事務局長として当会社の経営管理組織の一部を形成しており、同様に、合意が採択された会議に出席したため適切である。同判決は「合義体の行政組織の一員として会議に出席しなかった、または合意に反対を表明した、または異議を表明した者は、制裁を受けない」と述べた。

(2) 制裁の全面公開は、禁止された行為が私的範囲で行われていないため、スペイン憲法第18条によって保証されたプライバシーの権利を侵害するものでなく、代わりにそれは自発的に行われた職業上の行為の問題である。

 

 

ブランコ・ペドロ (Pedro Blanco)

ヴィラ法律事務所

 

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2019年5月10日