2023425日付スペイン勅令第314/2023が4月27日に発効し、2019年6月5日付 Closed Distribution Systems

(閉鎖型の配電網)(以下「CDS」という)に関するEU指令第2019/944号第38条が国内法化された。

当該送電ネットワークの導入は、複数の送配電網への接続から、単一の高圧大口需要家へ移行することによって、接続送電サービス料金削減することと、ネットワークへの投資、運用、保守を所有者に義務づけること、さらに電力システム・コストの削減を目的としている。

当該規定の目的は、義務的な行政認可の取得、取消し要件と手順、CDSが備えるべき条件と要件、およびこれに接続する対象の性質を定めることである。

適用範囲には、CDS、ネットワーク所有者、それらが接続されている送配電網の所有者、運営者、ならびに、接続されている発電施設の電力利用者および所有者、それらの販売業者および代表者が含まれる。

CDSは、8平方キロメートル以内の工業地域で、産業用消費者に電気を供給するネットワークを指し、敷地内の産業に従事する法人に独自のネットワークによって電気を配給することを条件とする。産業用消費者とは、CNAEコード(スペインの産業分類コード)のグループB、C、D、Eに属し、以下の条件のうち少なくとも1つを満たす事業体のことをいう

・技術的または安全上の理由から、このネットワークのユーザーの生産システムもしくはプロセスが統合されている。

・このネットワークは、主にその所有者または運営者、あるいはその関連事業者に電力を配給する。

ネットワークは相互に接続してはならず、CDSではない送配電会社、およびそれらのネットワークに接続されている利用者、または該当する場合は、接続されている発電施設や蓄電施設とのみ境界線を共有せねばならない。

これらのネットワークは、送配電網の1つもしくはそれ以上の数のポイントに接続されることがある。

CDSによって電力供給される消費者は、相互にカスケード接続することはなく、配電網自体を通じてのみ接続する。この消費者は送電網や配電網に接続することはない。

ネットワーク保有者は、CDSによる配電を唯一の会社目的とする商事会社や協同組合でありうる。

この会社は、スペインまたはEU加盟国に設立された法人で、スペインにPEを有し、有形固定資産が資産総額の50%以上を占めるような技術的・経済的能力有する必要がある。

このネットワークは、以下の要件を満たす場合は、最大100までの非産業用消費者に供給することができる。

・上記に示した地理的区域に属すること。

・当該ネットワークの所有者、株主、または同ネットワークに接続している他の産業用消費者と雇用関係もしくは取引関係を維持している、または維持していたことがあること

・消費割合が、接続する全消費者の年間消費量の2%未満であること。

・産業用消費者の土地に隣接していること。

CDSの所有者は、ネットワークの管理者および運営者となる。電気料金については、2013年12月27日付勅令第1048/2013号で定める料金を非産業消費者に適用しなければならず、一般的な権利と義務に関しては、電力販売会社と同様の権利と義務を有する。

当該所有者の場合、電気エネルギーの送電、配電、商業化、供給、設備認可手続きを規制する2000年12月1日付勅令第1955/2000号に定める、配電事業の認可の対象とはならないが、電気エネルギー販売業者のための行政登録簿に登録する必要がある。

最低3年に1度、国内市場競争委員会は、勅令で定める要件の遵守を確認するために必要な検査を実施する。勅令に違反している場合は、2013年12月26日付電力事業に関する法律第24号(タイトルX)に従い、罰則が科される可能性がある。

結論として、当該新規制は、産業界にとっては、電気料金の多大な節約につながる可能性のあるエネルギー共同体の発展の分野の前進を意味する。しかし、同じくEU指令第2019/94号によって導入された市民エネルギー共同体の概念に言及していないのは驚きであった。どちらの場合も同様の目的で利用でき、中小企業の形態で設立された管理会社が所有することができる。

 

 

ボスク・ミレイア (Mireia Bosch)

ヴィラ法律事務所

 

 

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