スペインにおけるデジタル手続法

先週、閣議において法務省より提出された司法サービスのデジタル効率化に関する法律の草案が承認された。当該法は、司法手続き効率化に関する法律及び組織効率化に関する法律(両法律とも審議中)と合わせて、司法の公的サービス改造し、司法の更なる効率化を図るための2030年司法改革プラン(Plan Justicia 2030)の法的基盤を構成するものである。

デジタル効率化法は、市民がアクセス可能なデジタルサービスを規制し、司法制度のデータ化を推進することでデジタル化を容易かつ促進するような法的枠組を設けることを目的とている。

一例として、この規制は安全なデジタル環境において電磁的な口頭弁論や手続きを開催することを可能とし、(電子司法ファイルを通じて)手続き、情報及びサービスへのアクセスのパーソナライズされたサービスを受ける権利を国民に認める。

また、直接対面する必要なく、公証や登記のサービス提供が可能となる。これは、会社法の分野におけるデジタルツールと手続きの使用に関する欧州指令(EU)第2017/1132号を修正する2019年6月20日付欧州議会及び欧州委員会(EU)指令第2019/1151号を国内法へ導入するものである。

2021年8月1日よりも前に各加盟国において国内法令化されなければならなかった当該欧州指令は、会社のオンライン設立、支店のオンライン登記、会社及び支店による文書及び情報のオンライン提出に関する共通の規則を制定するものである。

会社のオンライン設立について、欧州指令は「会社設立の公正証書の付与を含む会社のオンライン設立に関するあらゆる側面に対応するために、国内法により権限を与えられたいかなる行政機関、個人、又は組織に申請人が直接出頭する必要なく」会社の設立全体が実行できるようにすることを要求している。ただし、身元の不適切使用や身元詐称を防止するとの公益上の理由から、身元確認のために申請人の物理的な出頭を要請する措置を講じる必要がある場合は除かれる(例えば、身元詐称の疑う理由が存在する場合、又は法的能力や申請人の会社代表権限についての規則遵守を確保する理由が存在する場合など)。

このため、国内市場における電子取引のための電子的身元確認及び信頼サービスに関する2014年7月23日付欧州議会及び欧州委員会規則(EU)第910/2014号で規定される電子的身元確認方法を使用することができる。

 

 

ビジャビセンシオ・カルラ  (Carla Villavicencio)

ヴィラ法律事務所

 

より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。

va@vila.es

 

2021年10月29日

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