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数ヶ月前の記事において、2013年6月27日付スペイン最高裁判所判決第875/2023号 (rec. 第6442/2021号)会社取締役の報酬性の定款規定が存在するが、当該報酬を承認する総会決議がない場合に、取締役が受領する報酬の損金算入の可否が争われたケースを分析した。本件の本質的な争点は、資本会社法217条3項に定める当該報酬の具体的な上限額についての株主総会決議の欠如ゆえに、取締役の受領報酬が、改正法人税法第14条1項e)上、単なる贈与に分類し、法人所得税の損金不算入とすべきかという点にあった。

法人納税者にとっては非常に関心が高い当該問題は、当方の見解では、裁判所によって非常に正当に解明されたと考える。そして、2024年1月18日付最高裁判所判決第75/2024号(rec.第4378/2022号)において当該問題は再度分析され、前述の判決で確立された法理が確認されることになった。

ここで分析する2024年1月の判決は、2023年6月27日判決と、後者の案件が1人会社であったことを除いて、大きな類似性を有していた。事実、この種の会社には株主総会という機関が存在しないことを考慮し、報酬額についての株主総会決議を要さないとの判断を示した。

当該費用は損金算入されないという意見を擁護するため、国選弁護人は2018年2月26日付最高裁判決第98/2018号(rec. 第3574/2017号)を引用し、資本会社法における取締役報酬決定システムにつき、以下のような3段階を示した。 (i)第一段階: 定款において、取締役職の無償または有償の性質を定めなければならない。(ii)第二段階:株主総会決議において、取締役報酬の最高額を定めなければならない。(iii)第三段階: 取締役自身の決定、つまり取締役は、株主総会が別段の決議をしない限り、各取締役の機能と責任に応じて報酬を分配する責任を負う。

提起された問題を解決するため、2024年1月18日付最高裁判決において、裁判官は国選弁護士の議論を退け、2023年6月27日判決で採られた以下のような判例基準に言及した。

1) 会社取締役報酬のうち、会計処理、承認、定款上に規定があるものは、報酬の受領者及び会社間の関係が商業的性質であること、あるいは報酬が株主総会で承認されていない事実を根拠には、改正法人税法第14条1項e)の定める、損金不算入の対象に該当しない。

2) 一人会社である場合には、株主総会による報酬限度額の承認を要しない。

3) 定められた要件が法的に請求可能であったとしても、それに従わない場合、自動的に支出とみなし、損金不算入とすることは不適切である。

最高裁は、従って有責事由のある支払いは、(i)その法的・経済的原因が無償ではなく有償である場合(ii)実際サービス提供に対する報酬である場合(iii)当該サービスが計上、証明、定款に規定されている場合税務上の自由裁量の要件を構成しないと理解している。

商業的観点から不正が認められた場合であっても、株主総会での決議がないことを理由に、取締役報酬が法人税法上の損金不算入として扱われるわけではない。そうでなければ、税務、商業上だけでなく、純粋に契約上の理由による変更となる。なぜなら、取締役と会社間の関係は費用がかかるものであり、いかなる場合でもそのような地位を失うことはないからである。

最終的に最高裁は、商業関連の法違反の疑いは単なる弁証法的な目的であり、誰にも害を及ぼさないものであるとし、これを理由に費用の損金算入を否定する根拠にはならないとした。

 

ルビオ・ジョアン・ルイス (Joan Lluís Rubio)

ヴィラ法律事務所

 

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2024年3月8日