取締役の報酬制度は、法曹界において会社関連事項の中で最も熱い議論を呼んでいる問題の一つである[1]。この問題に関して企業が通常直面する疑問の一つは、取締役に支払われる報酬が法人税法上損金算入できるかどうかという点である。これは、最高裁判所が下した2023627日付判決875/2023で分析された問題である。

高裁が検討したケースで争点となったのは、厳密に言えば、会社の取締役の報酬に関する会社手続きを遵守することが、取締役が受け取る報酬が損金算入されるための要件となるかどうかという点であった。税務当局によれば、これらの手続きに従わない場合、報酬は「贈与」に分類され、損金算入が認められなくなるという。

取締役会の役員として、いわゆる「リンク理論」の適用を受けることになる多くの上級管理職が、従業員として受け取る報酬に関する議論である。大まかに言えば、この理論は判例法に基づいて作られたもので、従業員が上級管理職とみなされ、同時に会社の取締役会に所属する場合、雇用関係(上級管理職)よりも委任関係(取締役)が優先され、後者に吸収されるとするものである。

この理論の適用により、税務当局は、このような状況にある者に支払われる報酬は、取締役としての資格において受領されるものであり(それが上級管理者としての職務の結果であっても)、したがって、資本会社法で定められた取締役報酬の要件を満たさなければならないとしている。これらの要件とは主に、(i)定款に規定があること、すなわち取締役の地位が報酬を受けるものであることを定款で定めていること(217条1項)、(ii)年間最高報酬額が総会で承認されていること(217条3項)である。

最高裁判所にとって、これらの要件は、少数株主に有利な一種のコントロールメカニズムとして機能する。なぜなら、少数株主は、取締役が受け取る報酬について知らされることが有利であり、その結果、少数株主又は他の株主による濫用の可能性を回避できるからである。というのも、(i) 役職の報酬性を規定した定款を承認し、(ii) 取締役を任命し、(iii) 会社の年次決算を承認するのは唯一の株主であるため、その株主が報酬額を知らないということはできないからである。

このため、裁判所は、唯一の株主が取締役の具体的な報酬を承認する決議を行うことを要求することは無意味であると考える。したがって、商事的見地から、一人会社においては、定款で役職の報酬性を決定すればよい。

さらに裁判所は、(一人会社であろうと、複数の株主がいようと)会社の形式を遵守していないからといって、それ自体が報酬の贈与とみなされるわけではないことを明確にしている。もしそうであれば、それはいかなる法的規定によっても正当化されない、税法規定の類推の禁止における解釈となる。

従って、正当に会計処理され、承認され、定款で規定されている報酬は、総会で具体的な報酬額が承認されているか否かにかかわらず(一人会社の場合、このような形式は要求されない)、税額控除の対象とみなされなければならない。

しかし、定款で役職を無償と定めている場合はどうなるか。このケースは問題の事実関係からは外れるが、最高裁は、このような場合、取締役が従業員の立場で受け取った報酬の一部も損金算入されると結論付けるために、この問題を検討した。というのも、関係理論は、企業内の領域で機能するものであり、税務の領域で対応することは困難であるため、この問題への適用は慎重に行われなければならないからである。この主張の裏付けとして、裁判所は欧州連合司法裁判所の判例(2022年5月5日判決、HJ事件、C-101/21)を引用し、仮にリンク理論が商事目的で適用可能であったとしても、「従業員に支払われる報酬の損金算入を否定することはできず、従業員やその雇用主が経営組織の一員であるという理由だけで不利益を被ることはない」と述べている。

要するに、裁判所は、取締役が受け取る報酬の損金算入は、商業上の形式を遵守することを条件とするものではないことを明確にしている。つまり、取締役の報酬と経費の損金算入という2つの制度が平行して存在するのである。この2つの制度を統合することを正当化できるのは、会社法や税法の強引で利己的な解釈だけであり、最高裁はこれを正しく否定している。また、最高裁が会社規則に定める要件の簡素化を選択し、現在の会社実務に反する過度な形式主義を避けたことも注目に値する。

 

 

ルビオ・ジョアン・ルイス (Joan Lluís Rubio)

ヴィラ法律事務所

 

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2023年9月22日

 

[1] 取締役の報酬について、「会社と業務執行役員間契約: 無報酬の場合の義務」参照