2022年11月10日付最高裁第一法廷判決第772/2022号(以下「本判決」という。)は、ある合同会社が銀行に対して行った、一次的請求として銀行の契約違反(スワップ契約についての特定のリスクにかかる通知及び助言を行わなかったこと)の宣言を請求する訴え、二次的請求として、当該不履行から生じた損害賠償を請求する訴えにかかる事案の検討をしたものである。

第一審及び第二審において二次的請求について肯定的な判決が出されたことを受けて、銀行は第二審の判決について、最高裁判決2013年10月28日付第629/2013号、2002年6月10日付第552/2002号及び2011年3月21日付第164/2011号と2018年7月4日付決定によりなされた解釈に従い既判力及び禁反言に関する民事訴訟法第222条及び第400.2条に違反することを理由に、特別抗告を申し立てた。

法的根拠第3において、最高裁はこれら2つの法的概念について検討し、以下の見解を述べた。

A. 既判力について

民事訴訟法第222条によれば、確定判決の既判力は、敗訴した手続きにおける訴訟物と同一の訴訟物についてその後の手続きを排除し、訴訟提起や反訴請求、補償可能な債権の請求や司法事務の無効にまでそれは及ぶとした。

B.禁反言の原則(事実認定及び法的根拠の禁反言)について

民事訴訟法第400条によれば、訴状において請求されている事項が、異なる事実、根拠、又は法的立場に基づいている可能性がある場合、訴状が提出された時点において知られている、又は含めることができるすべての事項は、当該訴状において推論されなければならず、その後の手続きのために議論を留保することはできない。事実関係及び既判力の目的上、訴訟で提出された事実及び法的根拠は、以前の訴訟において議論された場合には、当該訴訟において議論がされたものと同じとみなされる。

法的根拠第4において、最高裁は、以下の理由に基づき重要な既判力が生じたため、特別抗告は認められるべきと結論づけた。

  • 我が国の司法手続きにおいては、民事訴訟法第1条の規定に基づき、単に宣言的な性質の訴えを提起した後に、金額を請求するための二次的な訴えを提出することは明白に禁じられている。
  • 本事案においては、以下の理由により、上記の禁止を回避する正当な理由は存在しない。(i) 金融スワップ契約の束縛は、契約上の現実から異常なものでも異質なものでもなく、一次請求が提出された時点においてスワップ契約に関する統合された判例が既に存在しており、当事者及び裁判所に対して、2つの訴訟(1つ目は宣言的な訴訟、2つ目は賠償請求)を提起する必要なく、十分な手段を与えていた。(ii) 契約上の責任に関する宣言は賠償請求のための論理的かつ必要な前提であり、訴訟の結果が異ならないようにするために両方をまとめて行わなければならない。
  • 法的要件の遵守は当事者の意思に左右されないため、将来の金銭請求のための行為の留保に関する一次請求における原告の宣誓は無関係である。本件においては、当該要件は、金銭的判決を取得するために2つの連続した手続きを行うことを認めていない。

既判力の存在を認めたうえで、最高裁は銀行が申し立てた手続き違反及び控訴違反による特別抗告を認め、原告に対し第一審で生じた訴訟費用の支払いを命じた。

 

 

ボスク・ミレイア (Mireia Bosch)

ヴィラ法律事務所

 

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2022年11月25日