I.- 導入

去る6月4日付官報にて、住居賃貸借市場の柔軟化及び刺激策を講じるための法第4/2013号が公布された。当該法は、現在の賃貸借マーケットの必要性に法が適合するよう、旧都市不動産賃貸借法を修正するものである。消費者にとっての財産として住居を持つことの重要性及び賃貸人の間で賃貸をすることに対する恐れが存在することにより、スペインはEU諸国のうちで最も活発でない 賃貸借マーケットのひとつであるということは、留意すべき点であろう。これらの対策は、賃貸借というオプションを刺激し、賃貸人・賃借人双方にとって賃貸借をより魅力的なオプションとすることを目指している。

II.- 賃貸借マーケットの柔軟化及び刺激策

行政により適用された対応策のうち、着目すべきは下記の措置である。

a)  賃貸借期間

新しい法が施行されるまでは、賃貸借期間は最大5年まで延長する権利が賃借人に与えられることが義務付けられ、当該5年経過後は、貸主・借主のいずれからも反対の意思が表示されない限り、3年間延長された。改正法によると、契約義務期間は3年間に減らされ、その後の延長期間は1年である。

b)  賃貸人による住居の修繕

一定の条件が充たされ、かつ、賃貸借契約の最初の1年が経過している場合には、貸主による住居の修繕が認められる。ただし、当該住居が貸主の定住する住居として使用される予定である場合に限られる。

c)  賃借人からの自主的解約

賃借人にとって有利となる措置も取られている。30日まえの事前通知をすればいつでも契約を解約することができる。ただし、契約期間開始後、最初の6ヶ月が経過していなければならない。

d)  賃借人の強制立ち退きに関してだが、これは被告の反論不足に関連している。すなわち、被告が要求された支払を行わないまたは裁判所に反論のために出頭しない場合、裁判所は強制立ち退き命令を発することになる。

e)  賃貸借助成体制の改正

本改正法の施行に伴い、実家を離れる若者の自立のための国家住宅計画及び基本賃貸借プランに関する賃貸借助成体制においていくつかの変化がもたらされる。具体的には、今現在支援を受けているローンの補助金の維持、賃借人援助プログラム、都市・地域の再開発、過疎地の再開発、及びリノベーションプラン等である。

f)  未払い賃料の最終判決記録

当該改正法の中でも特に興味深いのが、賃貸をする際のリスクを軽減す    るために、賃料の支払い義務を怠り、それを理由に有罪とされ立ち退き    命令を言い渡された経歴を有する人々に関する情報提供のための、未払い賃料の判決記録の作成である。

III.- 結論

行政により適用される対策の分析を通じ、これら対策の目的は賃貸人にとって賃貸借マーケットをより安全なものとし、現在空き物件となっている住居をマーケットに出すことにより、不動産物件のオファーを増やし、マーケット自体をより魅力的なものにすることだと言える。また、当該法の改正によって賃貸人及び賃借人の関係がより柔軟なものとなり、賃貸借が両者にとって有益になるものと考える。

 

 

ヴィラ法律事務所

 

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2013年6月14日