プロジェクトマネージャーとは、契約上の構成要素の一つである。その業務範囲と裁量には法的な定義がなく、各プロジェクトマネジメント契約に依存する。

2020年10月15日付最高裁判所第一民事法廷判決第529/2020号によると、「法的に規制された職業ではないため、関連する定義や概念が欠如している。故に、想定される能力は、プロジェクトマネージメント契約の個別のケースに依存するという考えを補強するものである」としている。

さらには、ホテルや太陽光発電所の建設から新しいウェブサイトのデザインまで、マネージメントの対象となるプロジェクトは多岐にわたる。

前述の判決のケースでは、プロジェクトマネジャーは、プロジェクトマネージメント契約に基づき、原告が所有する住宅建設の完了を担っていた。

原告は、スペイン民法第1591条以降および建築基準法第17条に該当する建設的欠陥に対する責任訴訟を提起した。第二審では契約上の責任ではなく、建築基準法に基づいて請求した。

最高裁判決は、「最も支持されている法解釈では、プロジェクトマネージャーが通常参加義務づけられている様々な活動展開は、伝統的には、及び現行法によれば建築代理人に割当てられている義務と一致すると理解されている。」と述べている。

当該案件におけるプロジェクトマネージャーの法的性質の判断のために、最高裁は建築プロセスにおいて当該プロジェクトマネージャーが担った役割の分析を行い、建設プロセス全体に渡って、運営、管理、制御、検証の役割を実行し、重要な役割を果たしていた事は明白であることを考慮した。

上記理由から、最高裁判所は、プロジェクトマネージャーの役割はスペイン建築基準法第8条に定める建築代理人の一般的な概念に適合すると結論付け、プロジェクトマネージャーとしての役割を果たした企業の責任の存在を認めた。

結論として、プロジェクトマネージャーの裁量は、各契約関係の具体的なケースにおいて、仕事の遂行に関する責任の範囲を決定するために、広義の意味で考慮されなければならない。

 

 

ヴィジャビセンシオ・カルラ (Carla Villavicencio)

ヴィラ法律事務所

 

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2021年5月28日