登記・公証局は2017年3月27日付の決定で、会社が税務署の管理する法人登録で一時的に登録抹消されていることに基づき登記簿が閉鎖されている場合には、当該会社の解散登記は受理されることができないことを確認した。

本件決定が出された件では、会社の解散及び清算の登記について保留された。本件では会社の債権者は国税局ただ一人であり、当該税務債権については、会社に十分な資産がないことから弁済されることはできない状態だった。また、債権者が複数人存在しないことから、倒産手続きを申し立てることができない。加えて、国税局の債権については、本件会社が法人登録の一時抹消がされていることから回収不能であることが宣言されており、結果として、法人登録の再登録証明書を取得することが法的には不可能であるという状況であった

本件会社はその異議申立てにおいて、本件における問題は、一人しか債権者がおらず、当該債権について会社の清算によって弁済することができないような会社は、解散することが可能であり、会社の登記簿も閉鎖されることができるというシンプルなものであり、上記と同じ規範は、2016年8月22日付DGRN決定において維持されていること、そして、本件における唯一の相違点は、会社が法人登録の一時抹消をされているという点のみであると主張した。

しかしながら、DGRNは、以下の理由により、会社の異議申し立てを認めなかった。

  • 現行の規定によれば、会社の法人登録の一時抹消が登記所に通知された場合には、以降、再登録がされるまで、当該会社についてはいかなる登記も実施することができない。
  • 計算書類登録の不履行によって登記簿が閉鎖される場合は、明白に例外として会社の解散の登記を実施することが認められている。しかし、法人登録の一時抹消により導かれる結果と、計算書類登録の不履行により導かれる結果を混同することはできない。
  • 法人登録の一時抹消にかかる規定の例外の中に、会社の解散・清算登記は列挙されておらず、したがって、それら登記を実施することはできない。

会社の解散を行うことについて法的には特段の問題がない場合であったとしても、法人登録の一時抹消を原因とした登記簿の閉鎖がされている場合には、明らかに例外として規定されているものを除き、登記所はいかなる登記申請も実施することはないと理解すべきだろう。

 

 

大友 美加

ヴィラ法律事務所

 

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2017年5月5日