1.  適用対象範囲

2020年3月29日付勅令法第 10/2020号に定める有償休業許可措置は、非常事態宣言を発令した2020年3月14日付勅令法第 463/2020号にて活動の制限を受けなかった公的機関及び私的企業にサービスを提供する全ての被雇用者に適用される。

具体的に概略すると、本有償休業許可措置は、勅令法第 10/2020号の附属書において不可欠であると認定した職種、勅令法第 463/2020号(非常事態宣言)において「市民の生活必需品の供給と必要不可欠なサービスの確保のために不可欠な、ハイリスクと考慮されてない会社とサプライヤー」の活動には、適用されないとした。同様に、テレワークによって通常の業務の遂行が可能である被雇用者にも適用されないこととしている。

上記附属書は、「市場のサプライチェーンに関わる労働者、及び食料品、飲料品、動物性食品、衛生製品、医薬品、医療製品、健康保護に必要ないかなる製品等を含む生活必需品に関わる生産拠点のサービス運営の従事者、これらを生産地から最終目的地まで流通させることを可能にする労働者」にも適用しないとしており、特に必要不可欠サービスについて言及している。

従って、提供する必要不可欠サービスもしくは必需品の流通と、実際の必需品及びサービス不足との間にどの程度の関連性があるのかを留意し、評価する事が必要となる。

前項の規定に関し、ストック生産の必要性の有無も検討を要すると考える。該当企業が、本件措置の該当期間の需要をカバーするのに十分な余剰在庫を有している場合には、厳格に全従業員の勤務を義務付ける必要はなく、人員集中を避けるための適切な措置(勤務時間短縮、シフト制等)により、勤務人数の削減も可能であることが理由である。本評価は明らかに、各企業が個別に判断実行するが、考慮すべき要素ではあるだろう。

当該観点に関し、本勅令法は、「本条に規定する回復可能な有償休業許可取得の適用を義務付けられる会社は、必要に応じて、不可欠な活動維持のために厳密に必要最小限の人員またはシフトを設定することが可能である。当該活動、最低人員もしくはシフト数は、通常の週末もしくは祝日の活動維持の条件を参照して設定される。」と規定する。

 

2.  有償休業許可とは

上記の規定に則り会社活動を適切に評価した結果、活動が不可欠とは認められず、もしくは生活必需品や不可欠サービスとの関連が認められないと判断された場合、勅令法第 10/2020号に定める有償休業許可は、以下のように導入される。

a) 労働者は、2020年3月30日から4月9日までの間(両日含む)強制的かつ回復可能な有償休業許可を取得する権利を有す。

b) 上記は、通常の職務サービスを提供していた場合に労働者が受領すべき基本給及びその他の手当てを含む報酬を受領する権利が維持されることを意味する。

 

3.  勤務時間の回復

勤務時間の回復は、非常事態宣言の解除翌日から2020年12月31日までの間に実行される。

本勤務時間回復方法は、会社と労働者の法定代表者間にて開く協議期間中に、協議期間は最長7日間として交渉・決定しなければならない。協議開始日について具体的な記載はないが、非常事態宣言の解除日であると推測できる。

労使委員会は、延長不可能な5日間以内に成立する必要がある。

協議期間中は、両当事者は合意を目指して誠意を持って交渉に臨む必要がある。当該合意は、労働者の法定代表者の過半数の同意を要し、存在する場合は、労使委員会の委員の過半数の同意を必要とする。いずれの場合も、本特別措置の影響を受けた労働者の過半数以上の意見が反映される必要がある。

当該協議期間中に合意に至らない場合、協議期間が終了してから7日以内に本有償休業許可取得適用中に提供しない勤務時間の回復方法に関し、会社は、労働者及び労使委員会に対し会社の決定を通知することとする。

 

4.  勤務時間回復の限度

いずれの場合にも、本勤務時間回復のために、労働者憲章第34条2項に規定にある、日毎及び週毎に法律及び労使協定が定める最低休息時間が遵守されないようなことがあってはならない。また適用される労使協定に定める、年間最大労働時間の超過も許されない。同様に、プライベート、労働、家庭生活の調和のために、法的・慣習的にも容認される権利も尊重されなければならない。

更には、活動の即時中断が不可能な場合には、本勅令法の適用対象に含まれる労働者は、事業再開時に支障をきたすこと、もしくは再開が不当に害することがないように、勤務時間回復可能な有償休業許可措置の実行するために必要不可欠な業務を遂行することを唯一の目的として、2020年3月30日月曜日に、サービス提供することを可能とする。

 

 

テラン・アンドレアス (Andreas Terán)

ヴィラ法律事務所

 

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2020年4月3日