2024年10月4日付当事務所の記事「スペインにおける電子請求書導入の遅れ」で既に分析したように、電子請求書義務化にかる新システムの導入プロセスは、立法者の予定通り進んでいるとは程遠い状況であった。我々は当時、同規制の整備不足、導入によって将来的に義務履行対象者となる企業や自営業者の法的安全性の欠如を指摘していた。
最近、電子請求書システム導入にかかる法の施行が再び延期されることとなった。
具体的には、スペイン政府は、電子請求書システムに関する主要な規制である12月5日付政令第1007/2023号(通称「Verifactu規定」)の施行を延期した。この規定は、中小企業や自営業者が使用する電子請求書システムが満たすべき要件を定めたものである。
延期確定:新施行日
当初、本規制では、法人税納税義務を有す事業体については2026年1月1日から、その他の専門職者らについては同年7月1日から、Verifactuシステムの段階的導入開始義務を定めていた。
しかしながら、開始予定期限までに必要な、立法府による規制整備の承認の不在や遅延のために、一方ではソフトウェアプロバイダー側、他方では、導入義務を負う企業・専門職者側の双方において、適切かつ秩序ある導入が不可能であった。結果、スペイン政府は緊急措置として、直近2025年12月2日付の政令第15/2025号(以下「本新政令」)により、これらの期限の延長を承認した。
本新政令は、請求書システムの技術的の受け入れを段階的に進め、義務対象者の不均等導入を回避することを目的として、当初設定されていた期限を延長し、施行予定を変更するものであった。新施行日は、以下となる。
- 法人税納税企業:2027年1月1日までに、Verifactuの要件に適合した請求書システムを導入する必要がある。
- その他の企業および自営業者:2027年7月1日まで、6か月の猶予期間が与えられる。
この新たな延期措置は、税制に関する構造改革発表の際に、十分に現実的なタイムマネジメントが伴わないといった習慣的になりつつある傾向を、ますます裏付けるものである。
Verifactu:何が延期され、何が変更されないのか
当該延期は、定められた履行義務内容を変更するものではなく、導入開始時期のみを変更するものであることを、ここでは強調しておく。Verifactu導入が全面的に義務化された際には、請求書システムは、以下の要素を含む記録の完全性、追跡可能性、また保存性を保証する必要がある。
- 利用ソフトウェア、もしくは請求書システムの識別
- 請求書ごとのデジタル署名(ハッシュ値)の取得
- 紙面請求書の発行場合、税務当局によって検証可能なQRコード、もしくは識別IDの記載
導入目的は、テクノロジーツールのよる税務監査の強化にあり、常に変わりがない。しかしながら、導入方法については合理的な疑問が生じている。
延期への反応と影響
延期決定には、賛否両論の反応を呼んでいる。一部企業団体や自営業者団体は、適応に必要な追加的な猶予期間を肯定的に評価している一方で、経済事業者、税理士やソフトウェア開発者たちの多くは、施行直前の基準変更に懸念を表明している。
2024年から2025年にかけて、多くの企業は相当な経済的、人的資源を投入し、請求書システム導入を優先課題としてきた。そのような企業にとって、この新たな延期は、安心材料ではなく、計画と資源配分に齟齬をもたらし、規制枠組みの安定性に対する信頼の喪失を意味する。
最終考察
電子請求書、及びVerifactuのようなシステムの導入プロセスは、間違いなく不可逆的なものであり、税務管理のデジタル化に向けた欧州の明確な傾向に応えるものである。しかしながら、遅延、延期また未整備の規制が相次ぐことで、このプロセスは法的安定性の欠如を示す典型的な例になりつつある。
この新たな延期は、受動的態度を正当化するのではなく、企業や自営業者らが先を見越して内部システムを見直し、技術提供者たちとの頻繁なやり取りを保つための機会として役立たせるべきである。なぜなら、今後もスケジュール変更の可能性はあるものの、最終的に義務化されることは明確であるからである。
フリオ・ゴンサレス (Julio González)