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20251126日付最高裁判所第一民事部判決第1713/2025号は、スペイン会社法の解釈において極めて重要な意義を有する判決である。本判決は、実務上一定事項について事実上の全員一致を要する効果をもたらす株主間契約の有効性を認めた点において注目される。これは、資本会社法統合法(以下「LSC」という。)において定款上の全員一致要件が原則として禁止されていることとの関係で問題となったものである。

本件紛争は、実務上度々見られる状況に端を発している。すなわち、資金調達の必要性から増資を実施し、従前から経営助言を提供していた法人がこれを引き受けた事案である。新たな投資家が資本構成に加わる際、株主らはプロジェクトの安定性を確保し、新規株主の利益を保護する目的で株主間契約を締結し、これを公正証書化した。

当該契約においては、定款変更、配当の決定、事業計画または年間予算の承認もしくは変更、ならびに役員報酬方針といった一定の重要事項について、少なくとも資本の90%以上を代表する持分の賛成を要する旨が定められた。その結果、実質的には新規投資家の賛成なしには当該決議を成立させることができない構造となっていた。

さらに、創業株主のうち二名は、新規株主が資本構成に留まる限り、会社との専属的関係を維持し、経営上または労務上の職務を継続して遂行する義務を負うこととされた。

提起された訴訟は、主として二点に基づいていた。第一に、契約締結当時の資本構成に照らせば、90%要件は実質的に全株主の同意を必要とするものであり、LSC200条が定める全員一致の禁止規定に違反するとの主張である。第二に、創業株主に課された継続義務は、法秩序に反する永久的拘束を構成するとの主張であった。

最高裁はまず、定款において全員一致を要求することを禁止する規定は強行法規であり、株主間契約によってこれを潜脱することは許されないとの原則を確認した。しかし同時に、極めて高い特別多数要件が常に法的意味において禁止された全員一致条項と同一視されるわけではないとの重要な限定を加えた。

判断の焦点は、当該条項が濫用的な強制を構成するか否か、あるいは株主らが自由かつ十分な認識のもとで自律的に受け入れた制約であるか否かに置かれた。本件において決定的であったのは、契約締結時において全株主が資本構成上、当該重要事項の決議には事実上全員の同意が必要となることを十分に認識していた点である。その帰結は予期せぬものではなく、契約締結時に明確に理解され、受容されていた。

したがって、権利濫用やLSC200条違反は認められず、本件株主間契約は有効と判断された。さらに最高裁は、極めて高い議決要件を定めた結果、資本構成上事実上全員の同意を要するに至る定款条項の有効性を認めた。これには1987年判決(STS 725/1987)を引用し、先例との整合性を示した。

創業株主の継続義務についても、最高裁は永久的拘束との評価を退けた。当該条項は無期限かつ絶対的な拘束を定めたものではなく、新規株主が資本に留まるという客観的かつ確定可能な事実に条件付けられていた。新規株主が持分を失えば、義務は自動的に消滅する構造であった。

ゆえに、本件に永久的義務は存在しない。契約期間が具体的な期限として明示されていなくとも、客観的事情により確定可能である限り、直ちに無効とはならないとの解釈が確認された。この判断は、期限の定めのない株主間契約であっても、合理性を欠く絶対的拘束を課すものでない限り有効と解する従来の解釈を補強するものである。

さらに本判決は、信義誠実の原則および自己の行為に矛盾する主張の禁止(いわゆる禁反言の法理)の重要性を強調した。原告株主らは長年にわたり当該契約を履行しておきながら、自らに不利となった時点で初めてその有効性を争ったのである。

実務的観点から、本判決は三つの重要な領域において法的安定性を提供する。すなわち、自由意思に基づき合意された高度な特別多数要件の有効性、LSC上禁止される全員一致と資本構成から事実上生じる全員一致との区別、ならびに客観的に確定可能な無期限契約の許容性である。

本判決は、株主の意思自治を強化し、新規投資家の参入や複雑なガバナンス合意の設計において安定的な枠組みを示すものである。強化された保護条項によって均衡が図られることの多い現代の会社実務において、本件最高裁判決は明確かつ指針的な判断基準を提示したものと評価できる。

 

 

松岡研吾 (Kengo Matsuoka)

ヴィラ法律事務所

 

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2026年 2月20日