共同投資とは、複数の投資家が共同でプロジェクトや企業に投資することで、投資リスクを限定し、アイデアや知識の提供を通じて投資家の協力を促進する投資形態である。
5月24日、通商担当国務長官は、共同投資ファンドの活動と運営を規制する閣議決定を公布する決議を公表した。
共同投資ファンドは、NextGenerationEUプログラムの枠組みの中で組成され、プロダクティブな近代化の促進、エネルギーとデジタル移行、モビリティ、持続可能な農業、バイオテクノロジーなど、復興・変革・レジリエンス計画で定められた目標に沿った様々な戦略的分野において、スペインの民間企業に対する外国投資の誘致を拡大することを目的としている。
この共同投資ファンドは20億ユーロを拠出し、COFIDESという官民機関(53%が国営、47%が民間)によって運営される。COFIDESは、国家ファンドの運営に特化した機関で、公共政策に関連する投資において民間企業に融資を行う。
ファンドマネジャーは定期的に運用状況を監視し、ファンドの推移や欧州委員会が課す技術ガイドラインの遵守状況などについて、経済省付属の技術投資委員会(Interministerial Technical Investment Committee)に報告しなければならない。
共同投資ファンドの主な特徴は以下の通りである。
- 共同投資ファンドは、収益性と市場リスクの基準に従って、公的金融機関、民間企業、ファンドなどの海外投資家と共同で投資を行う。
- 投資家は、共同投資ファンドが拠出する金額と同額以上の金額を拠出しなければならない。
- 共同投資ファンドの出資比率は、1事業あたり出資総額の49%を超えてはならず、常に少数株主となる。
- ファンドの存続期間は無期限だが、投資は一時的なものであり、投資中止の期限を設ける必要がある。
4月16日の閣議決定では、ファンドの運営と管理を定めるとともに、事業の適格性と選定条件を導入した。
企業がファンドによる投資の恩恵を受けるためには、スペイン内での投資であること、又はそのセクターがファンドの目的に合致していることなどの要件を満たす必要がある。また、化石燃料を利用したエネルギー生産に特化した企業や、高排出ガス産業に属する企業も、このファンドの投資の恩恵を受けることはできない。
この制度により、スペインへの外国投資が促進されるとともに、欧州連合の復興・変革・レジリエンス計画に沿った生産モデルの近代化が実現することが期待されている。
ヴィラ・オスカル (Óscar Vilá)
ヴィラ法律事務所
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2024年6月7日