欧州連合における商標保護の鍵としての識別性

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去る11月13日、欧州連合（EU）一般裁判所は、T-426/23号事件において、チキータ・ブランズ社のロゴは識別力を有しないとして、その保護を否定する判決を下した。

チキータ・ブランズは、バナナをはじめとする生鮮果実の生産・販売に携わる多国籍企業であり、生鮮果実を含む様々な商品について、青い楕円に黄色の枠で囲まれた図形商標をEU商標として登録していた。

2020年5月、同じく果実の生産・販売を行うフランスのCompagnie financière de participation社は、欧州連合知的所有権庁（EUIPO）に対し、同商標の登録取消を請求した。この請求は、2017年6月14日の欧州連合商標に関する欧州議会及び理事会規則（EU）第2017/1001号の第7条第1項（b）に基づくもので、同規則は、商標登録拒絶の絶対的根拠として「識別力を欠く商標」を規定している。

EUIPOはフランス企業の請求を認め、2023年5月にバナナを含む生鮮果実に関して同商標を無効とする決定を下した。EUIPO は、青と黄色の楕円に識別性がないこと、及びチキータ・ブランズ社が、この商標が使用を通じて識別性を獲得したことを証明できなかったことを理由として、この決定を下した。

チキータブランズ社は、一般裁判所に控訴したが、同裁判所は以下の理由で、生鮮果実とバナナの商標の無効を支持した：

1- 標章の形状とデザインについて、楕円形のラベルは生鮮果実分野、特にバナナで一般的に使用されているため、それ自体に特徴がないと指摘。さらに、過度に単純な標章であり、このような形状が持つ印象的な特徴や独自の特徴がないとした。

2- 配色に関しては、青と黄色の組み合わせも生鮮果実分野で頻繁に使用されており、その組み合わせは商品を個性化し、特定の原産地や特徴を連想させるには不十分であるとした。

3- EUIPOの主張と同様に、一般裁判所も、チキータブランズは、「Chiquita」の文字の存在なしにロゴとして使用されている単なる幾何学的形状が、商標として登録されるに十分な識別力を獲得しているという十分な証拠を提供していないと考えている。

最後に、一般裁判所は、図形が識別力を有し、商標として登録されるためには、一般が容易に識別できるような、十分にユニークで印象的な形状であることが必要であることを強調した。