新型コロナウィルスと商業施設の保険

本稿では、2021年2月3日付ジローナ地方裁判所判決第59/2021号において述べられた、新型コロナウィルス感染症(Covid-19)パンデミックに起因する宿泊・飲食サービス業の活動停止時の保険契約の適用範囲に関する新しい法的見解について検討する。

本件は、飲食サービス業会社と保険会社との間で締結された保険契約に端を発する。当該飲食サービス業会社は、Covid-19パンデミックに基づく政令に従い、事業の一時停止を余儀なくされたため、本活動停止期間について、保険会社に金銭的補償を請求した。なお、当該保険契約の特約条項には、「事業活動の一時停止」の場合、1日あたり20ユーロの補償金が最長30日間支給されるとの規定があった。

しかしながら、被告である保険会社は、パンデミック時の政令による事業一時停止に起因する損失費用は、保険契約の補償範囲に含まれていないと主張した。保険会社は、主張の根拠として、普通保険約款において「いかなる公的機関や管轄当局、またはその他のあらゆる不可抗力(収用や破壊も含む)によって課された制限や規制の結果として生じた損失について、その損害修復や、又は通常の事業活動を行うための補償は保険の適用範囲に含まれない。」と明確に定めていることを提示した。

前提事実の説明を進めるに先立ち、本件の争点の理解のために、保険契約法のいくつかの点について概略説明が必要となろう。当該法の第44.2条において、同法の強行規定は、ハイリスクの保険契約に対しては適用されない旨を定めている。

当該「ハイリスク」について、近時の最高裁判決において、保険契約がこの種の性質の保険契約と分類されるには、

  • スペイン民法第1255条に規定する当事者の自由意思
  • 普通保険約款及び特約規定、及び
  • 補足的に、保険契約法の規定

に準拠することを明確にした。

法の強行規定よりも契約規定が優先される事実により、いくつかの種類の条項を区別する必要があるだろう。

(i) 被保険者にとって不利な条項

(ii) リスク分別条項

(iii) 制限条項

(i)の条項は、事故時の補償へのアクセスを事実上不可能とするため、無効とされる。(ii)の条項は、単に契約の目的を区別するものである。(iii)の条項は、被保険者の補償を受ける権利を制限又は条件付けるものである。

保険契約法第3条によれば、制限的条項は適用可能な条項であるためには、以下の2つの要件を満たさなければならない、としている。

a) 特別な方法で強調されていること。

b) 書面により明確に了承されること。

これらは全て、被保険者が内容についての知識を有していることを保証するためである。

制限条件に関する重要点は、同条件が有効にも無効にもなり得るということである。被保険者が当該制限を認識しており、それらが合理的である場合には、つまり、契約内容を空洞化する事によって経済目的の達成を阻害しない場合には有効となる。逆の場合には、制限条件は無効となる。

すべての種類の条項を考慮した上で、本件争点に視点を戻すと、契約の普通保険約款は感染症対策として出される政府の決定により事業活動が一時停止した場合の補償を考慮していないという保険会社の主張は、同保険の特約条項には、事業一時停止時の補償規定が確立されているため、被保険者の権利の明確な制限を意味する。同主張は、上述の有効であるための要件を満たさない制限条項であるとして、ジローナ地方裁判所は、被保険者である原告の訴えを認めた。

 

 

マデロ・ハイメ (Jaime Madero)

ヴィラ法律事務所

 

より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。

va@vila.es

 

2021年3月26日

2021-03-26T15:11:34+00:0026/03/2021|不動産, 号外ニュース|

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