消費者やユーザーと呼ばれる人たちは、 法的弱者保護というの意図のもと、特別な法的保護 を享受している。
改正版消費者保護法(以下“TRLGDCU”)第3条によると、それらはされてさしかるべき配慮であり、 “職人や職業として商行為や企業活動に関わりのない自然人“及び“商行為や企業活動とは無関係の非営利 法人及び法人格を持たない組織”は保護されるべき存在である、としている。
さて、前記の記述からは、『消費者は、自らの企業活動、職業活動とは別に営利性を持ち、その獲得を目指す自然人たることは可能であるか?』という疑問が生じる。
スペイン最高裁判所(以下 “最高裁判所”)は2017年1月16日の直近の判決において初めて、上記の疑問を肯定する見解を示している。
最高裁判所は、以下に述べる論旨をもとに結論を導いた。
- EUの判例においては、営利目的は、消費者という概念を適用する上での排除要素であるべきではないと考えられている。(例: 欧州司法裁判所の2008年判決、78、ハミルトン事件)
- TRLGCUはその第3条において、企業活動から離れた行為とは、その取引に 属する行為のことを指し、 顧客あるいは購入者の企業行為を指すのではない旨、言及している。(欧州司法裁判所 2015年9月3日付 C-110/14事件 の判決の見解を肯定)
- 2014年3月27日付法第3号の改正を受け、 TRLGCU第3条では、自然人消費者と法人消費者を区別し続けている。しかしながら、営利性は法人消費者のみが適用者となりうると追記している。
前述の見解にも関わらず、最高裁判所は『消費者が利益を得ることを目的に行動した場合、おそらく境界線は、その行為(例えば、即時転売を目的に不動産を購入する等)を被告人が定期的に行っているかどうかにあるとしている。なぜなら、商法第1条第1項 (1885年制定)に定める通り、行為の常態化は企業家の法的特徴の一つであり、それらの行為を短期間の間に定期的に行うことは、一種の企業あるいは職業行為とみなすことができるからである』と示した。
マリナ・イスマエル (Ismael Marina)
ヴィラ法律事務所
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2017年2月10日