I. 導入

いわゆる「コンフォート・レター」と呼ばれるレターは、保証の代替手段であり、主債務者に企業融資を行う債権者又は将来の債権者に対して人的保証としての機能を果たすものである。結果についての義務を取り扱い、当該レターにおいてスポンサーは、計画された融資オペレーションが問題なく終了することを保証する。保証する額を負債として正式に計上することはない。

最高裁は「弱い」コンフォートレターと「強い」コンフォートレターを区別した(2007年2月13日付最高裁判決)。「弱い」コンフォート・レターとは単に信頼性について推薦又は宣誓を行うものである一方、「強い」コンフォートレターとはスポンサーと利益享受者との間の義務関係を発生させる片務的法律行為を構成する。

II.「強い」コンフォートレター

「強い」コンフォートレターに関して、最高裁判例の見解は2016年6月27日付判決第424号において述べられている。

a) 事件の経緯

本事件において、主債務者の支配的立場を有していた2つの会社が「強い」コンフォートレターを差し入れたことのおかげで、銀行が会社に資金貸付を実施した。

当該貸付の弁済及び人的保証が実行されなかったので、銀行はスポンサーに対して、主債務者が負っている弁済期日を迎えた、精算可能で存在する残金について、連帯して支払う旨の判決を求めた。

被告は、当該主たる訴訟物について、当該コンフォートレターは意思の宣誓を内容としており、義務等を引き受ける約束をするものではないとして、認めなかった。また、スポンサーである2社のいずれも主債務者の親会社ではなかったことを付け加え、いかなる場合においても主債務者株式の保有割合に応じた金額についてのみの負担に限られるとした。

b) 最高裁による検証

前述のとおり、最高裁はコンフォートレターによる義務の有効性についての検証、すなわち、義務的関係を構築又は発生するための適切さを備えているかについて検証し、以下のように述べた(2015年7月28日付最高裁判決第440号)。

コンフォートレターとは、その本来の意味において、強いものと評価する場合には、片務的な自由意思に基づく宣誓と同様、宣誓義務の波及を伴う、非公式な片務的法的行為を構成するものと言える。そして、以下の前提又は要件を満たす場合には、義務的関係を構築又は発生させるものと言える。

(i) まず第1に、自身に義務を課すことについてのスポンサーの明確かつ明白な意思が認められること。つまり、義務的拘束力の発生について現実の意思をもって宣誓をしていること。

(ii) 次に、債権者による受け入れが存在すること。この受け入れは黙示又は推定によることができる。また、コンフォートレターの発行と実施された融資との間に因果関係が推定されること。

(iii) スポンサーと主債務者との間に具体的な関係が存在すべきかという点について最高裁は、当該関係が必ずしも親子会社の関係である必要はなく、計画された金融オペレーションの実行をスポンサーが代理できるような自身の利益、権限、又はメリットが正当化されるような、あらゆる関係の枠内でその信用のために行われた(causa credendi)という事実が必要であるとした。したがって、親子会社の関係の場合もあるし、債権者又は株主の立場に基づく場合もある(2007年2月13日付最高裁判決)。

c) 最高裁の結論

上述にもとづき、最高裁は、レター内の約束は融資実行のための決定要素であったため、コンフォートレターはスポンサーの義務的結びつきを構築するために適切であると結論づけた。

続けて最高裁は、コンフォートレターを特徴付ける義務的効果の及ぶ範囲を検証し、スポンサー会社によって受け持たれた義務の約束の連帯性を認めた。なぜなら、当該コンフォートレターは、スポンサー及びその主債務者(本債務の主保有者はスポンサーである)の持つ債務のリファイナンスを実行する際、新たな資金貸付を受ける際の、両当事者が一体となって保証を同意する手段として位置付けられたからである。

 

 

ヴィシャビセンシオ・カルラ (Carla Villavicencio)

ヴィラ法律事務所

 

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2018年8月3日