本稿は、2019年4月1日付けの登記・公証局(DGRN)の決定に関連するものである。

本事案の事実は、以下のとおりである。相続による不動産取得の登記に関する申請書がマドリードの不動産登記所に提出され、それにはキャピタルゲイン税支払い免除の申請が添付されていた。

不動産登記官は、キャピタルゲイン税は支払われていないことを理由に登記を却下した。

利害関係者は、この決定に関して登記・公証局に対し異議申し立てを行った。

議論の目的は、キャピタルゲイン税が清算されておらず、代わりに支払い免除を要求する行政宛の文書の写しが提出されている場合、不動産取得に関する公正証書の登記がされるかどうかである。

DGRNは、担保法の第254条に従い、問題となっている手続きに対する既定の税金の支払いがされていることが証明されていない場合には、文書の登記は認められないことをまず言及した。

しかしながら、当該原則の適用は一律のものというわけではなく、地方財政法第110.6条b)に例外がある。当該条項では、登記の対象となる文書と共に、法的に規定された文書、またキャピタルゲイン税支払いの証明を補足する文書を提出することを認めている。当該条項は、前述した支払いを証明するものの代わりに特定の文書の提出を定める規定について自治体の裁量に任せている。実際、DGRNは、上記のような場合において、常に自治体条例が定める要件を満たしていることを前提に、キャピタルゲイン税の対象となる納税義務を決定する行為や契約を含む文書の登記を認める決定を出している(とりわけ2017年11月27日の決定)。

本事案についていえば、キャピタルゲイン税を規制するマドリード市の税条例は、利害関係者が不動産の譲渡を免除、無効、または対象外としてみなす場合には市の税務署に対し申告の提出を認めており、この申告は正当に立証され、市または関連機関の受領印が押印されていなくてはならないとした。同条例では、登記所が当該届出の写しを保管しなければならないと規定しており、登記は申告に対して税務署の決定を害することなく行われる。また、申告が却下された場合、利害関係者は当該決定が通知されてから1カ月以内にキャピタルゲイン税の清算に進む必要があることも理解されなくてはならない。

利害関係者が市条例の規定を満たしていたため、DGRN本事案の異議申し立てを認め、登記簿の解除と相続による不動産取得にかかる文書の登記承認を命じた。

 

 

ヴィラ・エドアルド (Eduardo Vilá)

ヴィラ法律事務所

 

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2019年4月26日