スペインにおける不動産売買は、状況に応じて一連の異なる手続きが伴い、場合によっては、程度の差はあるものの困難を伴う場合がある。

購入対象が建設中(または着工前)の分譲物件の場合、実際には完成物件が存在しない不動産が対象となるため、売買手続きはより複雑となる。このような場合、「青田売り(設計図上の売買)」と呼ばれることがある。

未完成物件の購入予定者は、「設計図上」売買契約プロセスの開始を決定する場合、以下に留意する必要がある。

1)対象物件は、必要な自治体許可を取得の上で建設中であること

2) 開発業者は購入予定者に、建設予定物件の建設計画、その構造および使用資材のリスト等を証明するすべての書類を提供しなければならないこと

3)工期が遅れ理由に、完成時、納期に影響を与える可能性がある。その救済措置として一定の罰則を設けること。

4) 購入予定者は、未完成物件について、最終的な購入価格に応じて一定の金額を前払いする義務があること。

5) 開発業者は、1999年11月5日付建築規制に関する法律第38/1999号の規定に従って、購入者予定者の手付金を保全しなければならないこと

6) 新築物件申請。建設完了後、必要に応じて、建物の分譲所有権保存設定については、開発者が公証人を介して正式な手続きをとること

7) 新築不動産の場合は、既存不動産とは不動産取引の課税率が異なること

上述に加え、購入予定者がスペイン居住者でない場合には、スペインでは「N.I.E.」と呼ばれる外国人識別番号の取得、銀行口座の新規開設、場合によっては、住宅ローンの申請・取得、自国における夫婦財産合意の証明など追加で行うべき手続きを考慮する場合がある。

非居住者である外国人がスペインで不動産を購入する際は、NIEもしくはNIF(税務識別番号)の取得が必須条件である。これに加えて、購入者が非EU加盟国国籍者の場合で、不動産投資によるスペイン移住を検討している場合は2013年起業家・国際化支法第14/2013号に基づいて居住許可証(場合によっては、投資完了前の仮の査証)の申請が必要となる。

購入者が購入価格の一部支払いに住宅ローンを利用する場合、融資の取得に対する金融機関の要件(最低収入、不動産購入資金の出所等)、適用金利率、銀行関連書類の署名、住宅ローン契約期間遵守、ローンの供与等の問題に留意する必要がある。

スペインでの不動産購入にあたり、特に購入予定者がスペイン非居住者である場合や、購入対象が未完成物件の場合などは、様々な留意事項に直面する。

ヴィラ法律事務所では、スペインにおける不動産売買時に、売買の手続きの開始からフォローアップ、契約内容の交渉、売買対象物件の特性や修正の決定等完了までに発生するすべての問題について、リーガルサポートを提供しております。

 

 

スニガ・アルベル (Albert Zúñiga)

ヴィラ法律事務所

 

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2023年4月14日