欧州特許庁審判部(以下« EP »)による2015年3月25日付の決定G2/12及び決定G2/13は、議論を呼ぶものとなった。

両決定は、植物や植物材料関連商品の特許の可能性を認めた。これは、欧州特許条約第53条b)が定める、植物および動物の生産における本質的な生物学的プロセスに関する特許取得を認めないという原則に反しうる。しかしながら、EPは当該条文の解釈として、特許性の排除は、植物や植物の一部(果実を含む。)のような収穫方法の結果取得できるものに適用されるのではなく、例えば、今回分析されたケースによれば、ブロッコリーやトマト等の収穫のための方法に限定して適用されるとした。

これら決定は、主に倫理的、社会経済的な懸念に基づき、いくつかの国際機関から強く非難されている。

例えば、« No Patents for Seeds »という団体は、当該決定により企業が人々の日常生活において必要な資源に関してコントロールをする事を可能にしてしまうと明言している。これは市場の集中化をもたらし、多国籍企業に過度に依存している小規模農家に損害をもたらし、最終的に消費者をも傷つけることになる。

当該議論は、EPが主張した法的な論点についてというよりも、立法政策上の理由により交わされた。

ブロッコリーやトマトの例は今後起こりうることの予兆に過ぎないだろう。植物品種の加工及び医療プロセスへの適用の双方におけるバイオテクノロジーは、将来、社会に大きな変化をもたらすものとされる。当該セクターへの投資を可能にするために、企業は国に対し、特許や他の知的財産権によって当該発明や技術の独占を事前に保証するよう求めるだろう。他方、国は、それにより得るものと失うものを勘案し、共通の利益を維持するための適切なバランスを見つけなければならない。

 

 

ヴィラ法律事務所

 

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2015年6月22日