導入

起業家法の適用を受ける起業家による合同会社の新規設立に関する諸規定は、2013年9月27日の法第14/2013号「起業家法」のなかで最も重要な変更点の一つと言える。

法的構成

この種の有限会社に関する諸規定は、法第1/2010号、改正資本会社法(以下「“TRLSC”」という)の第4条、第5条及び第23条の改正条文及び新たに追加された第4条bisにより導入された。

特徴

有限責任会社であるが、最低資本金に関する規定が存在しない。

TRLSC第4条は、株式会社及び合同会社についてそれぞれ最低資本金を定めているが、今回の法改正により、合同会社については、法で定められた最低資本金に満たない資本金の額でも設立が可能となった。

しかしながら、 資本金ゼロの会社を設立することはできない。これは、TRLSC第23条d)で、定款に資本金をいくつの株式または持分に分割するのか、一株または持分の価値及び通し番号を記載しなければならない旨規定されていること、またTRLSC第4条及び第23条に記載されている「法に定められた最低資本金未満の資本」という表現から推測できる通り、資本金の額は減額できたとしても、資本金をなくす事は不可能と解されるためである。

銀行において資本金の預金証明を取得する必要がない。

当該証明書を取得することは義務ではなくなり、会社の資金として資本金が入金された旨を会社設立の公正証書の中で宣誓すれば足りることとなった。他方で、この新体制により、 設立発起人と設立時の株式または持分の引受人は、会社の債権者及び会社自身に対し、各自の出資金に相当する責任を連帯して負うこととされた(TRLSC第4条bis)。

資本金の額が最低資本金額(3,000ユーロ)に満たない場合、TRLSC第4条bisに基づき設立された合同会社である旨を定款に記載しなければならない。

最低資本金に達するための時間的な制限を設けない。

しかしながら、最低資本金額に満ちていない期間は、会社は下記の義務を果たさなければならない。

義務

a) 少なくとも年間利益の20%(金額の制限なし)を法定準備金として割り当てる必要がある。

b) 法に定められている義務のすべてを果たした場合にのみ、株主への配当を実施することができる。ただし、株主への配当後の会社の純資産価値が法定最低資本金額の60%を下回ってはならない。

c) 株主や役員に支払われる年間の報酬額が当該税務年度の純資産の20%を超えることはできない。ただし、当該会社の被雇用者として受け取る給与、会社と株主または役員がサービス提供に関する契約を結んでいる場合における当該サービスへの対価はこれには含まれない。

結論

この新しい合同会社の設立形態を使用することにより、少量の資金でビジネスプロジェクトを開始することができるようになるため、以前に比べ容易に起業を行えるようになった。

 

 

ヴィラ法律事務所

 

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2013年10月25日