多くの非公開会社の場合、出資者、株主、取締役の実質的居住地が会社の登記住所と異なることはよくあることである。同様に、株主総会や社員総会決議を正式化するために法律で定められた手続きを踏む手段として、物理的には出席していない株主総会への出席を記録した議事録を、署名回覧することがあることもよく知られた方法である。

他方、特定の形式的なコーポレート業務の処理には、商業的ダイナミズム維持のために、より一層の迅速さが求められている。(電子署名等の)テクノロジーは、文書、例えば総会議事録の署名や決議証明書の発行の合法化に関し公証機能を合理化し、法的要件の遵守を簡素化するソリューションの採択を可能にした。

株主総会や社員総会の遠隔地からの出席に関しては、スペイン資本会社法を部分的に修正する法律第5/2021号が通過したことにより、会社の定款に定められている場合には、電子的手段による総会開催の可能性が明示的に認められることになった。当該措置は、(遠隔的出席に限定されているが)スペイン資本会社法の第182条や、最近では勅令第8/2020号(およびその後の一連の修正)に先例があるが、後者の場合はCovid-19により派生した危機のために2021年12月までの例外的かつ一時的な措置であった。

これにより、株主総会や取締役会への株主や取締役の個人的な出席の問題はかなり解決されることとなった。しかし、特に書記役や監査役が海外や地理的に異なる場所に常住または一時的居住している場合には、議事録や決議証明書原本への署名問題が生じる。企業は、議事録や決議証明書の原本を手書き署名のために紙媒体を普通郵便や宅配便で回覧することによる書類紛失の暗黙のリスクや、時間及び費用面でのコストを回避するシステムを求めている。

議事録については2017年4月25日付登記・公証局(現・法的安全・公文書管理局)の決定において、定款に規定がある場合には、電子署名により議事録を作成することができることが確認されている。この場合、定款の定めによって、高度電子署名ではなく、単にPINコードとユーザー名に関連づけられたプライベートアクセスに基づく署名を要するとすることができる。また、デバイスとソフトウェアによって文書に刻印された手書きの署名で足りるとすることも可能であろう。

議事録証明書については、単に技術的な観点からは、電子証明書による署名は、議事録について言われたことに関して何らの違いも存在しない。しかし、電子署名がされた議事録証明書を公正証書化するにあたって、たとえ全会一致の基準について話すことはできなくても、公証人の側で重要な疑念が存在する。この慣行に対する抵抗の焦点の所在がどこなのか、そして、特定の証明書で署名された議事録証明書を公正証書化することが適切であると我々が考える理由を検証する。

  • 資本会社法第202条は会社のあらゆる合意は議事録内に記載がされなければならず、その採決から15日以内に議事録が作成され株主総会議長および出席した株主2名によって署名がされなければならないと定めている。当該条文では手書きの署名と電子署名を区別していないことは明らかであり2つのうちのいずれかを事前に有効とみなす必要がある。
  • にもかかわらず、公証人は議事録証明書になされた署名および証明者の個人確認の真正性を保証しなければならない。公証規則第261条は「公証人は第258条に従い認められる電子フォーマット形式の文書になされた認識のある電子署名を真正と認めることができる。」としており、これには一定の要件を満たさなければならない。
      • 公証人は署名者を識別し、電子署名のベースとなっている証明書の有効性を確認しなければならない(公証人が迅速に管理できるようにするためのアプリケーションが存在するため、2番目の要件は比較的簡単である)。
      • 公証人は、コンピュータファイルの署名者による署名を認証することとなる。

どうやら問題の所在は、公証人が電子署名と証明者に関して行わなければならない「帰属の判断」のように思われる。手書きの署名では、公証人は議事録証明書になされた署名と署名者の身分証明書原本の署名とを対比する。会社の決議を公正証書化するために公証人に、公正証書化する権限のある者による電子署名がされた議事録証明書を単に提出するのみでは、電子署名と署名者の認証の要件を満たすことができないという不便にぶつかるだろう。なぜなら、それは公証人の面前で署名がされていないからである。

では、電子署名がされた議事録証明書を公証人が公正証書化するためにしなければならない「帰属性の判断」の障害をどのように取り除くことができるか。電子署名と証明者として記載される者の身元とに直接的な結びつきを確立する必要性は法的安全の原則に沿うものである。この前提が該当する場合、電子署名が公証人を十分に満足させる証明能力で行為を行う者に帰属することを合理的に検証する方法を確立できれば、障害が取り除かれたと理解されるだろう。この意味において、公証人が証明書に表示される電子署名の所有者を明言する証明者とビデオ会議を行ったり、公証人が署名者の身元確認や電子署名の帰属を合理的に保障するために適切と思われる質問を行う可能性があることは留意したい。このように、当該電子署名は認識され、公証人に認証されたものとなり、その後になされる公正証書化においてさらなる検証を必要としなくなる。

また、上記の識別手段に頼る必要がない場合でも、電子署名がされた議事録証明書はその署名が2020年11月11日付法第6/2020号で定義がされているように、有資格の信用できるサービス事業者によって発行された資格のある証明書で構成されている場合には、検証しなければならないだろう。この種の電子署名は、従来の手書き署名と同様の真正性や信用性を備えていると言えるだろう。そのため、有資格署名証明の発行者が、経済及び電子化省を通じて行政の事前承認、管理及び監督を受けている場合には、公証人は議事録証明書の電子署名が資格ある証明書に一致すること(資格のない署名の破棄)を要求していると理解することができるだろう。

上記議論に加えて、有資格証明の所有者を特定するための基準を確立するにあたっては、信用ある電子サービスの特定の側面を規制する2020年11月11日付法第6/2020号第6条を考慮しなければならない。自然人の場合、所有者の身元確認は、氏名、DNI番号(外国籍の場合はNIE番号)、さらには仮名によってなされることが示されている。また、有資格証明書を取得するには、証明書発行団体の担当者の面前で申請者の個人の識別及び特定が必要となることを留意することは重要である。これは、有資格の署名証明書に表示される電子署名と、証明者がそれに属するとする人物との同一性について確かな保証を構築するためのものである。

これらの議論は適格な電日署名の場合における貴族の判断の要件を満たすに十分であるように思われるが、もう一つ追加したい。新設された民事訴訟法第326条第4項は、署名が刻印された時点で有資格サービス事業者が信用できる事業者リストに含まれている場合に限り、電子署名の有効性の推定を定めている。

加えて、その検証の立証責任は異議を唱えた者にあることを定めている。この推定は検討している問題にも当てはめが可能であると考える。なぜなら、有資格電子署名のために法が定める安全かつ特定の方法は、公証人が議事録証明書に表示される電子署名を認めるのに十分な真正性及び有効性の推定を与えるからである。これは、手書きの署名と同様に、改ざん、なりすまし、その他の違法行為に関して認証者が負う責任を損なうことなく行われる。

 

エドアルド・ヴィラ (Eduardo Vilá)

ヴィラ法律事務所

 

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2021年8月6日