2021年10月4日付の法的安全・公文書管理局(以下「公文書管理局」という。)決定において、ある会社の一人取締役が行った当該会社の設立にかかる公正証書の登記却下通知に対する異議申し立ての判断がされた。

当該会社定款には、「株主総会は取締役により各株主に値する受領証明付き証明郵便を用いて招集されなければならない」そして「上記招集通知郵便の送信日と株主総会開催日との間には少なくとも15日の期間を設けなければならない。ただし、会社の組織変更、合併、譲渡及び分割が当該株主総会における議案に含まれる場合には、上記期間は1ヶ月となる。」との規定があった。

商業登記官は、会社本店住所を海外に移転する場合における株主総会召集のための要件が定款から漏れているとして、当該公正証書の登記を却下した。具体的には、2009年4月3日付法第3/2009号商事会社の組織変更にかかる法律の第98条に定める強制規定に従うと、会社の本店住所を海外移転する場合には招集通知は商業登記官報及び会社所在地で発行される日刊紙に、株主総会開催日の少なくとも2ヶ月前に公示されなければならない、とされている。

異議申立て人は、設立された会社はスペインで設立されており、本店住所の海外移転の場合の株主総会召集要件を定款に明示的に記載しなければならないという登記官の要求は本件には適用されず認められない、また、当該要件は実際に会社の本店所在地が海外に移転される場合にのみ生じるのであり、いかなる場合においても会社定款の定めに関係なく当該条文の定めが適用されると主張した。

公文書管理局は、その決定において、登記官の判断を支持し、定款規定は、その文字通りの表現において、「法に反する」と考えられるような以下のような表現をしてはならないという、法理に言及している。

a) 曖昧な文言の使用

b) 明確な説明不足(純粋な法的要求により、暗黙の了解とされている場合でも)

c) 強制的な法的例外の記述の省略

d) 適用される法体系を単に再現しただけの定款条項のため、完全または正確ではない場合

ここで取り上げているケースで公文書管理局は、定款が「法律上の制度に代わって、株主総会招集形式の通常の制度を確立しており、ニュートラルな絶対的な一般性を有す文言で表現されているため、いかなる種類の決議に対しても同一であることが意図されていると解釈するのが妥当である」とみなした。株主総会招集通知の期間についても同様で、「一部の例外的なケースを規定したが、他のケースを規定しなかったために、省略されたケースの状況について合理的な疑いが生ずる」と、言及した。

上述から、公文書管理局は、定款規定は「但し書きを含んでいない限り、法令規則と直接矛盾(…)、不完全な定款規定は、会社定款に含まれていない強行規定によって直接統合することはできない」と結論づけ、会社の本店住所の国際移転を決定するための株主総会招集に必要な方法と時間はどのようなものかという問題を提起している。

一方で、公文書管理局は、「いずれにしても適用されると推定される法規定の単なる複製」の場合、「同様のケースに適用される特別なルールを明示的に規定していないからといって、定款がそれらを除外することを意図していたという結論には必ずしもならない」ともした。

したがって、単に法律の条文を定款に複製するのではなく、「オーダーメイド」の表現をするのであれば、適用される強行規定を明示的に記載するか、もしくは定款の規定と矛盾する資本会社法やその他の適用法で強行規定されているものはすべて後者に優先するという趣旨の一般的な但し書きを記載しなければならないであろう。

 

ビジャビセンシオ · カルラ (Carla Villavicencio)

ヴィラ法律事務所

 

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2021年12月3日