スペイン資本会社法第172条は、株主総会招集通知の補足資料請求について以下のように規定する。

1.株式会社において、株式資本の少なくとも5%を代表する株主は、株主総会の議題に1つ以上の決議事項を含めるために、株主総会招集通知の補足資料の発行を要求することができる。当該権利は、認証された通知が総会招集通知の発行から5日以内に会社の本店住所に届くことによって行使される。

2. 招集通知の補足資料は、総会招集日の少なくとも15日前に公表されてなければならない。

法定期間内に召集通知の補足資料を公表しなかった場合は、総会の無効事由となる」

法は、本件要請の対象及び目的を明確に定めており、手続きに関して言えば、「認証された通知」を必要としている。また、総会召集が公表されてから5日以内に本店住所に当該通知が到着しなければならないとしている。

しかしながら、何をして「認証された通知」と理解すべきなのだろうか。召集通知の補足資料の請求が適切に行われなかった結果として、当該法的要件が遵守されない場合、総会の無効事由となることを考慮する必要がある。

2021年5月17日付法的安全・公文書管理局(以下「公文書管理局」という。)の決定は、マドリード商業登記所の登記官が株主総会召集通知の補足資料に関する予備登記を拒否したことを分析したものである。当該案件では、株主が法定期限である5日以内に以下の2つの方法で通知を送付した場合を扱っている。

  • Burofax (スペインにおいて内容証明郵便に相当)を法定期間終了後に会社が受信した場合。
  • 電子メールによるもので、送信日に会社の自然人である代表取締役が受信したことをもって、受領を確認した場合

登記官は、上記方法では、当該電子メールに、通信の有効な送信と正確な送信時間、メッセージの受領、およびその内容の真正性と完全性を証明するような電子証明書のサービス・プロバイダーによって検証されたという記録がないため、補足資料請求の「認証された通知」の受領が、会社の本店住所において期限内に認定されていないと判断した。登記官は、当該判断をするにあたり以下を参照した。

(i) 2013321日付最高裁判所判例。判例は、通常の郵便物とは異なり、通知プロセスが「認証された」とみなされるためには、電子証明書のサービス・プロバイダーが介入する必要がと定めている。

(ii) 電子証明書と認定信託サービスに関するEU規則第910/2014号

(iii) 株主総会招集の際、電子メールへの電子署名証明が必要であると判断した20141028日付公文書管理局決定。

電子メールの送信日と受領日、およびメッセージの真正性と完全性を認めるコンピュータ専門家の報告書が追加書類として提出された後に、登記官は、同様の理由によりで当初の判断を繰り返し、法的手続きにおいて当該電子メール証拠価値を有する可能性について言及した。

当該案件の利害関係者がこの判断に不服申し立てをした際、公文書管理局は以下のような見解を示しました。

(i) 株主に求められるものと同様なデューデリジェンスが、行政機関にも求められる

(ii) 認定信託サービスが関与していないため、当該電子メールは「認証された通知」とはみなされないこと。

(iii) 20131230日付ビスカヤ県裁判所判決は、通信は利害関係者が確実に受け取ることができる通信手段で行われなければならない、あるいは少なくとも利害関係者が当該通信を認識できる状態でなければならないとしている。

(iv) 201912日付および116日付公文書管理局決定において、株主総会招集通知送付に配達証明つき郵便サービスを利用すること、及びクーリエ便を代替え利用する可能性に関連し、「真正性」と「認証性」のコンセプトの区別が取り扱われた。

同様に、登記手続き及び公証人の認証行為は、証拠の評価時には、司法手続きとは異なるパラメータで実行されることを理解を示した。特に、ユニバーサルサービスを提供する郵便事業者以外の郵便事業者行為は、登記手続き及び公証人の認証時には「認証性」というプラス価値を必要とする。そして、物理的な通知送付と電子的手段による通知送付の両方について、配布・配達・受領・拒否または配達不能について、真実性と「認証性」の推定を享受するのはユニバーサル郵便事業者のみであると宣言した。当該「認証性」は、司法手続きで受け入れられ評価される「真正性」とは異なり、登記や公証の手続き時では明確な要件となる。

登記官の証拠評価が困難であったこと、会社が訴訟当事者ではなかったこと、予備登記がなされた場合に生じる効果(総会決議の無効)、採択された決議に対して裁判所で異議を唱える可能性などを考慮して、公文書管理局は異議申し立てを退け、登記官の決定を支持した。

要するに、登記官及び公文書管理局共に、電子メールによる請求通知の送信、そして通知送信日に受取人がメールを既読したことを証するメール受領確認書を受け取ったことは、「認証された通知」には該当しないとみなしたのである。

 

ボスク・ミレイア (Mireia Bosch)

ヴィラ法律事務所

 

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2021年9月23日