2015年4月28日、官報にて2015年4月27日付法第5号(コーポレート・ファイナンス促進法)が公布された。同法は参加型ファイナンスのプラットフォーム(いわゆるクラウドファンディング向けプラットフォームも含む)の法体制の構築も含まれている。同法に先立つ法案については、本サイト内の既出記事(大友美加著の「コーポレート・ファイナンス促進法案」及び本稿と同じ筆者の「スペインにおける投資ビークル」)にて触れたとおりである。

これら参加型ファイナンスまたはクラウドファンディングのプラットフォームは、主として、配当を期待して企業のプロジェクトのために現金出資をしてくれる投資家を探している企業とコンタクトをする団体である。これらプラットフォームは、誰もが投資家として参加できる投資ファンドやベンチャーキャピタルとは区別される。加えて、プラットフォームは投資家から現金を受け取らないし、異なるプロジェクトからなる投資パッケージを提供することもできない。また、具体的なアドバイスをすることはなく、投資家と企業のプロジェクトとの間のコネクションを構築するのみである。

誰が投資をし、誰が投資を受け取るのか。どのように資金が投資先の手元に渡るのか。

原則として、クラウドファンディングのプラットフォームを通じて誰でも投資をすることができる。しかし、投資家の状況に応じて投資に制限が存在する。当該制限については、後日投稿する「クラウドファンディングによる投資」に関する記事において詳述する。

投資を受ける側について、一定の企業プロジェクトのみが投資対象となることができる。プラットフォームの基本業務の一つは投資対象となるプロジェクトを受領するのみではなく選別することも含まれる。この点についても、本サイトに後日投稿予定の記事の中で詳しく触れる。

クラウドファンディングのプラットフォームはどのように組成されるのか。

新しい法的枠組みはクラウドファンディングのプラットフォームになる会社が遵守すべき要件についても規定を設けている。それらは多岐に渡り、場合によって複雑なものである。参考として述べると、証券取引委員会(Comisión Nacional del Mercado de Valores)の許可を取得する必要があること、商号及び特定の目的を有していること、60,000ユーロ以上の資本金があること等である。

クラウドファンディング向けの会社設立についても、本サイトにて後日取り扱う。

結論

マーケットは、資金調達と資金をマーケットに流入させるための新しい手段の構築を止めることはない。マーケットの実態に合わせるための法制が求められる。今後、投資家、プロモーター及びプラットフォームは、これまでになかった新しい枠組みに沿った形で事業を行わなければならない。

 

 

ヴィラ法律事務所

 

詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。

va@vila.es

 

2015年5月22日

 

 

関連記事: