スペインは、スポーツの価値を用いて国内外におけるプロジェクトを実施しようとする企業のために非常に興味深い金銭的なインセンティブを提供する。

経済的にスポーツ・アクティビティーに参加する方法は以下の3つである。

(I) 贈与、寄付、出資

(II) 2002年12月23日付法第49/2002号非営利目的団体の税制及び文化事業支援に対する優遇措置に関する法律(以下「文化事業支援法」)で認められている業務協力協定 及び

(III) 1998年11月11日付法第34/1998号広告法(以下、「広告法」)に定められる広告スポンサー契約(以下、「広告法」)。

(I)の場合、寄与者は受益者への経済援助を行うのみで受益者からの対価を受けることはないが、(II)、(III)の場合、受益者は協賛団体の知名度を広める取り組みを行うこととなる。どのオプションを選択するかに応じて税務上の取扱いが多少異なる。

文化事業支援法によると、当該法に規定されているスペイン及び各自治州のスポーツ連盟、スペイン・オリンピック委員会及びスペイン・パラリンピック委員会等の団体に贈与、寄付、出資を行う法人は、納付すべき法人税額の35%について控除することができ、さらに直近2税務年度内に同一団体に対して同額もしくはそれ以上の金額の贈与、寄付、出資を行っている場合には、当該パーセンテージは40%となる。

また、国家予算法では、公共の利益のための文化活動支援の一環として毎年スポーツ事業を計画し、当該事業に協賛した者には税制上の優遇措置が適用される。当該事業に贈与、寄与、出資をする場合、最大40%の控除が適用され、さらに直近2年間に同一団体に同額もしくはそれ以上の金額の贈与、寄付、出資を行っている場合は、最大45%の控除(ただし50.000ユーロを上限とする)がなされる。

他方、公益活動における業務協力協定の場合、贈与等の場合と異なり、文化事業支援法に定められている受益者は、経済的な支援と引き換えに、協賛者の当該事業への参加について広く伝えることとなる(当該知名度を広める活動はサービスとはみなされない。)。当該協定により生じた費用については、協賛者の法人税申告の際、控除可能な経費として計上され、法人税の課税標準を定めるうえで考慮がされる。

最後に、上述の経費の計上は、贈与等の控除と同時に適用することはできないため、案件ごとにメリットが大きい方法を検証する必要があるだろう。

 

 

ビシャビセンシオ・カルラ (Carla Villavicencio)

ヴィラ法律事務所

 

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2015年10月9日