導入

スペイン内閣は、2013年5月21日欧州規則第ECC/895/2013号により、コーポレート・ガバナンスの分野の専門家委員会の設置を承認した。

当該委員会は、公私双方からの専門家で構成され、当該案件に関する様々な問題について討議するため、4ヶ月の期間が与えられる。委員会の討議の後、 政府は2ヶ月以内に委員会の提案を適用するために必要な法的措置を講じる。

背景

会社法の現代化への懸念とコーポレート・ガバナンスの改良はEUにおいて新しい問題ではない。この分野で行われた努力は、2004年の欧州コーポレート・ガバナンス・フォーラム(2011年7月に当該フォーラムの最後の提案が出されている。)の設置、EUからの様々な提案、または欧州委員会規則第2007/36/CE号の承認を含む。上記の全ては、加盟諸国の法制に与えるインパクトは相対的に小さかった。

これら提案に対して払われた注意の程度は低かったにも関わらず、これらは会社の透明性システム構築の基礎となっている。この方向転換は金融危機によって決定づけられた。当該金融危機は、「透明性システムと『遵守及び説明』の原則の適用は、 特定の不謹慎な行動の規制として効力を発していない。」(*María Luisa Aparicio: “El Gobierno Corporativo ante la crisis económico financiera”).

この状況は、とりわけコーポレート・ガバナンスにかかる事項をアップデートすることの必要性を加盟国に突きつけた。スペインにおいては、この委員会を設置することは、欧州委員会規則2007/36/CEの国内法への移行、非居住者である企業の役員に対しスペイン外国人識別番号を取得する新しい義務、会社役員への会社からの支払についての課税率の改正、または、スペイン刑法の改正といった、一連の措置が含まれる。

コーポレート・ガバナンスの要素としての株主

上記は委員会により議論がされる二つの主題のうちのひとつである。欧州委員会規則第2007/36/CEの国内法への移行とともに株主の権利を強化する場合、浮上するであろう問題は、会社の運営体の報酬をコントロールする株主総会の役割強化である。

倫理の問題とは別に、欧州コーポレート・ガバナンス・フォーラムからは、給与に関する意思決定を公にすることが既に提案されている。他の側面においては、当該案件に関する少数株主の投票権に、現在よりも重要性をもたせることも可能である。

非上場企業における行為規範

非上場会社のための行為規範を作成すべきか、とりわけ、スペイン刑法の改正による行為規範の作成についての議論の必要性が唱えられている。なお、スペイン刑法は法人の責任についての新しい制度を制定した。

問題は、行為規範やコーポレート・コンプラアンスは同じ法を形成するのか、または二つの異なる文書となるのかである。また、どの会社が当該法に従う義務を負うのかを明確にされなければならない。

結論

2013年11月には、コーポレート・ガバナンスに関する一連の対応措置を確認することができるだろう。現時点では、改革がどの程度なのかを知ることができない。しかしながら、確かなことは、上述の問題については、たとえ最終的な解決策が提示されない場合であっても、考慮すべきであろう。

 

 

ヴィラ法律事務所

 

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2013年5月27日