6月16日より、欧州理事会規則第17/2014号の法規化として、新しいローン規制が施行され、ローン債務者はより保護され、ローン債権者は債務者の支払い能力に関する情報を調べる義務が課されることとなった(第12条潜在的債務者の支払い能力に関する情報)。

注目すべき最も重要な事項は、ローン税同様、公証人、登記所及び行政書士(書類作成費用)に対する費用が挙げられ、これらの費用はローン債権者の義務になることにある。これはローン債務者から見れば、平均的なローンでは、2,500ユーロの節約になると見積もられている。

クレジットカード、生命保険、又は年金プランなどの他の金融商品を義務的にローンと結び付ける常習的な慣行は、この規制の施行により禁止される。ただし、ローン債権者はローンの履行に関連して保険を要求することは認められており、ローン債権者と契約した各商品に対する、ローンの差額による割戻金の適用は認められていない。

また、この種のローンへの変更手数料(変換手数料)を0.15%に制限することで、固定金利ローンへのアクセスを促進することになる。あるローン債権者から他の債権者への代位は、ローン債務者に影響を与えてはならず、この状況にある金融機関間の補償メカニズムの導入が予想される。

一方で、公正証書が有効とされるまでに10日間の期間が設けられていることから、顧客は適切に文書を分析することができ、また状況について適切に助言され、情報を得ることができる。公正証書に加えて、公証人によって提供される無料カウンセリングの参考文書、欧州標準情報シート、標準通知シート、分割払いシミュレーションの文書など更に多くの文書が提供され、変動金利型住宅ローンの場合には、時間の経過に伴い変動する分割払いシミュレーションの文書、最終的な署名に含まれる全料金の内訳、銀行及び顧客に該当する費用の明確な情報、必須とされる保険保証の条件、また公証人が提供するべき無料のカウンセリングに関する情報などが与えられる。

多通貨ローンに関する規制の導入も重要であり、ローン債務者はいつでもローンをユーロに変換することを要求でき、ローン債務者が元の通貨で支払った全ての未払い資本を差し引かなくてはならない。この意味で、ローンの公正証書に別の規定がある場合には、契約は無効となる。

基本的に、大部分の法改正は遡及効果を欠いている。法律の施行前に締結された契約については、固定金利型ローンへの転換を促進する規定、及び早期満期条件の適用に関する条項のみが当てはまる。法律の規定に従い、金融分野における消費者訴訟の解決に責任を負う新しい機関の設立が望まれる。

最後に、公証人はこれより、ローン債務者が署名していることを理解しているかの確認をする義務があり、これには、欧州標準情報シート、標準通知シート(第15条2C) )が含まれる。さもなければ、公証人はローンにおける公正証書をいかなる状況においても承認することはできない。

 

 

デ・ラ・ベガ・イグナシオ (Ignacio de la Vega)

ヴィラ法律事務所

 

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2019年4月12日