スペインで一等地の商業用不動産に投資する際には、幅広い選択肢がある。マドリードの有名なセラーノ通りやバルセロナのポルタル・デル・アンヘルはその一部だが、不動産サービス会社であるクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが発表したレポート「2022年世界のメインストリート」に反映されているように、スペインで最も高級な商業ストリートという栄誉を勝ち取ったパセオ・デ・グラシアほど魅力的で成長ポテンシャルのある通りはない。

モダニズム建築とカサ・バトリョやラ・ペドレラ(カサ・ミラ)のような象徴的な建物の存在で有名なこの多目的ショッピング・オフィス・住宅通りは、近年、ラグジュアリー業界の基準となる通りとなり、マンダリン・オリエンタルのような一流ホテルや、エルメスやルイ・ヴィトンのようなファッションや高級アクセサリーからヴァン・クリーフ&アーペルのようなハイジュエリー、さらにカタルーニャ広場の近くにある人気のZARAやMangoまで、さまざまなショップが軒を連ねている。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのレポートによると、パセオ・デ・グラシアの1平方メートルあたりの賃料は、2022年には年間2,677ユーロに上昇したという。ただし、パンデミック前と比べるとまだ16%低い金額である。

ミラノのモンテナポレオーネ通りの1平方メートルあたりの賃料が14,547ユーロに上昇しており、パリのシャンゼリゼ通りの11,069ユーロであることなどから、イタリアやフランスのメインストリートにおける年間の1平方メートルあたりの賃料に遠く及んでいない。

グラシア通りは、施設のレベルや建築の魅力という点では、ヨーロッパの主要なストリートに匹敵すると言えるが、それでもヨーロッパ・ランキングでは31位で、ダブリンのグラフトン通りやプラハのパリスカ通りなど、より知名度で劣るストリートの後を追っている。

カタルーニャ自治州企業・雇用省によると、2022年にカタルーニャを訪れた観光客は1,490万人で、消費額は166億5,900万ユーロに上る。これらの観光客は、グラシア通りの高級店での買物客であり、有名な通りでのショッピングという観光の魅力を体験するために、頻繁に長蛇の列を作っている。

この観光ブームにより、グラシア通りには数多くの新しいショップをオープンさせる原動力となっており、最近ではヴァン・クリーフ&アーペルやティファニーのようなハイジュエリーや、ラバトにより促され、ロレックスや78番地にまもなくブティックをオープンするウブロのような時計屋を引き寄せている。

この現象は、ロンドンのニュー・ボンド・ストリートにも見られるもので、1平方メートルあたりの年間賃料は14,346ユーロである。

ヨーロッパの主要な大通りのトレンドが続き、バルセロナが高級品の買い物客の目的地としての地位を確立し続ければ、ほとんどすべてのブランドが進出を希望するこの通りの空き店舗をめぐる熾烈な競争によって、賃貸物件の賃料水準が急上昇しても不思議ではない。

この20年間のグラシア通りの成長には目を見張るものがあり、建築的、文化的、気候的に世界有数の大通りとなるために必要なものはすべて揃っているが、価格面で世界有数の大通りとなるポテンシャルを発揮するのはまだ先になるだろう。

 

ヴィラ・オスカル (Óscar Vilá)

ヴィラ法律事務所

 

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2023年8月18日