世界的ブームを巻き起こしているドローン業界は昨今、その使用方法とセキュリティーに関する規制を必要としている。
問題は規制が業界の成長スピードについていけていないことにある。過去3年の間にドローン関係の会社が3000社も設立されたことにより、これまで施行されていた無人航空機(ドローン)の使用に関するスペイン法第18/2014号は、安全な法的環境の下でのドローン市場の発展促進を目的とした一時的な性格を持つものであったことから、時代遅れになってしまった。
現行の規定は、ドローンを飛行させるための必要条件を最低限に定めていたが、過去数カ月の間ドローン業界が提起してきた潜在的な活動の蓋然性をカバーしていなかった。
そこで、スペイン政府は去る2017年12月15日、この新興の経済活動のさらなる躍進を助けるために現行の法的枠組みを修正する勅令を可決した。同時に、ドローンを用いた活動が安全に実施されるための対策を取り決めた。
新規制の他の対策の中には、ドローンの利用者が今まで許可されていなかった区域での安全な飛行を遂行するための必要要件を規定したものがある。例えば、建物付近、屋外の人が集まる催し物、及び夜間飛行中の航空機の上空飛行がこれにあたる。しかしながら、この種の飛行を行うためには、他の要件に加えて、安全飛行調査を行い、且つスペイン航空安全局(AESA)に前もって承認をうける必要がある。
管制空域における飛行も可能になったが、その際、個人及び団体のトレーニング経験の要件、航空交通サービス提供者とコーディネイトした航空安全性調査及びAESAの事前承認を遵守する必要がある。
他方で、ドローンの製造会社が遵守しなければならないデザイン、製造、メインテナンスに関する側面及び訓練に関して遵守しなければならない要件が特定された。これらの要件は、他の欧州諸国に存在する規制の枠組みと同等の条件になるよう規定された。
当該勅令は、更に、ドローン飛行の娯楽使用に関する対策を含んでいる。航空空域及び市民の安全性の保証を目的に一連の制限を規定した。
新勅令で規定された要件はAESAの監督・管理下におかれることとなり、遵守しない場合は、2003年7月7日に施行された航空安全法の規定に基づき民間航空機の分野における行政罰の対象となった。
付随条項
これに加えて、新規制は公共の安全に関しドローンの飛行にも関わる特別の配慮を与えており、以下のような一連の付随条項を組み込んでいる。
- 人口過密部及び都市部の上空を飛行する予定の者は、内務省の事前承認が必要である。
- 公共の安全を理由に、管轄当局は実施される活動に応じて、ドローン飛行を制限することができる。
エステル・ウゴ (Hugo Ester)
ヴィラ法律事務所
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2018年1月5日