1. はじめに
2015年2月27日付勅令第1/2015号金融債務負担の軽減及びその他社会的地位の維持のための措置に関する勅令は、ある特定の場合において個人が支払いきれない債務を免除されることを容易にすることを目的としている。
この目的を果たすため、破産・労務 ・税務の分野における改革を通して、やりくりに失敗した個人事業者や消費者に 、以下のようなやり直す機会を与えている。
2. 未払い債務の免除
破産した自然人が自身の資産を清算してもなお債務を完済できない場合、当該債務が残ることが原則である点に変わりはないが、新倒産法第178条bisの規定により、下記の要件を充たす場合に残債務の免除を受けること が可能となった。
– 債務者が自然人であること。
– 破産手続きが積極的破産財産の不足により完結していること。
– 債務者が善意であること。
– 債務者の責に基づく破産であることが宣告された場合は、債務免除の対象とならない。
– 債務者が裁判外において支払のリスケジュールに関する和解を試みた経緯があること。
– 債務者は破産手続き外債権及び優先破産債権の弁済を履行していること。裁判外における支払のリスケジュールに関する和解を試みていない場合には、少なくとも、一般破産債権額の25パーセントの弁済を履行していること。
上記のうち最後の要件の充足については、債務者が返済計画の実行を受け入れることで代替することができる。ただし、 (i)協力義務の履行をしており、(ii)過去10年間に債務免除を受けておらず、かつ、(iii)破産宣言以前の直近4年間に自分の能力に適した仕事のオファーを断った事実がない場合に限られる。
債務免除は、以下の債権にかかる債務について適用される。
1.º 破産手続き終結時に残存する一般 債権及び支払が延期されていた劣後債権。破産債権としての届出の有無は問わない。ただし、公法上の債権と日常生活上の債権は除かれる。
2.º 特別優先債権については、担保の実行によっても充足されなかった部分。ただし、一般債権または劣後債権とは異なるカテゴリーに区分されている場合は除く。
債務免除の結果、債権が消滅する債権者は、債務者に対し、当該債権の回収を行うための一切の行為を行うことができなくなる。
3. 結論
本改革によって、資産の清算後においてもなお残債を抱える個人事業主や個人にやり直す機会を与えることになる。しかしながら、例えば行政上の債権については本改革に基づく債務免除が適用されない等、メカニズムが明確ではなく、実務の部分でその有効性が疑問視されている。
ヴィラ法律事務所
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2015年3月23日