去る5月23日、内閣は会社のコーポレートガバナンス強化を目的とした資本会社法修正案を閣議決定し、国会に提出する運びとなった。本修正案による、非上場企業に対する主な修正内容は以下のとおりである。

  1. 株主総会の権限
  • 会社の運営及び重大な取引についての指揮権

株主総会は定款に反しない限りにおいて、経営に対する指示を与えることが認められる。また、株主総会は重大な取引(貸借対照表の資産合計の25%以上の取引)についての決定権を有するものとされる。

  • 会社の決定に対する異議申立て
  • 従前40日だった異議申立て期間が1年に延長される。
  • 要件ついては、少なくとも1%の株式を有する株主であれば異議申立て権を有するとする。
  1. 会社運営組織
  • 取締役の責任に対する責務及び体制

責任の範囲を広げ、会社に与えた損害の賠償のみならず不当利得についての返却も含むものとする。

  • 取締役会の権限

経営の重要部分及び会社の監督についての適切な決定を確保するために、他の機関に委任することができない取締役会の権限を新しく加える。

3. 役員報酬

  • 役員報酬の基準

役員報酬は合理的な金額でなければならず、会社の財務状況及び当該役員の役割・責任に見合った金額でなければならない。

  • 代表取締役

会社の代表権を担う代表取締役の報酬については、報酬が与えられる項目のすべてが記載された契約書にサインがされなければならない。当該契約の内容は取締役会において、利害関係人を除いた状態で、取締役の過半数によって承認されなければならない。

4. その他修正

  • 年次会計書類の事業報告書において、取引相手に対する支払いタームの平均を公表しなければならない。簡易会計書類を提出していない非上場企業は、会社のホームページを有している場合には、当該ホームページにおいて会計に関する情報を公表しなければならない。

上場企業に焦点を当てた様々な修正を含む本法案は、国会における審議を経て、承認可決される予定である。

 

 

ヴィラ法律事務所

 

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2014年5月29日