2013年9月27日付法第14号によって導入された会社のカンパニーブックの電磁的方法による登録手続きの義務化に伴い、従前の物体としてのファイルへ議事録を転写し保管する義務に代えて、会社には毎年直近事業年度内に作成された議事録を商業登記所に電磁的方法で送信する義務が課されることとなった。この義務は、2013年9月29日以降に開始された事業年度に適用され、初回の電子登録時には、会社代表者の署名がされた証明書を添付することが求められた。
2019年2月21日付登記・公証局(DGRN)の決定が出されたケースでは、会社が2017年度議事録ファイルを電磁的方法で登録するために商業登記所に提出したところ、初回の登録手続き時に必要な会社の経営機関が発行した証明書が添付されていないことを理由に、登録が却下された。そのため、2017年7月20日付で議事録ファイルの閉鎖がされたという内容の証明書を付して再提出したところ、議事録ファイルの閉鎖日が正しくないことを理由に再度却下された。ここで、議事録ファイルの閉鎖はいつされるべきであったかという点が問題となった。
議事録ファイルの電磁的登録が導入された際にDGRNから複数の指導が出された。これら複数の指導は、議事録ファイルの登録は常に事業年度終了後に行われなければならないこと、現行の認められているフォーマットは電磁的フォーマットのみであること、提出方法はオンラインによらなければならないことを前提としており、これらをまとめると、電磁的登録導入時の処理として、以下の取り扱いがされた。
(a) 2013年9月29日以降に開始した事業年度については、新しい制度(電磁的フォーマット)による議事録ファイルの提出をしなければならない。
(b) 事前に白紙で登録された議事録ファイルはその時点の事業年度終了まで使用することができる。
(c) 事業年度終了日を過ぎても議事録ファイルが閉鎖されず継続して使用される場合には、当該事業年度が2014年12月31日を過ぎなければ、新たな合法化手続きは必要ない。
(d) 2015年1月1日を超えて継続して従前の議事録ファイルが使用される場合には、電磁的議事録ファイルへの移行時に2014年度の議事録ファイルの閉鎖手続きを行わなければならない。
問題となった事案では、従前の議事録ファイルの登録がされたのは1999年5月11日であり、議事録ファイルの閉鎖日は2017年7月20日とされていた。上述の取り扱い指針によれば、議事録ファイルの閉鎖日はどんなに遅くとも2014年12月31日となるべきであった。
露木美加
ヴィラ法律事務所
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2019年3月22日