スペイン労働者憲章第44条第3項によると、生産ユニットの譲渡が見受けられる場合、そこには事業継承があるとみなされる。その結果、譲渡会社と譲受会社の両者ともに、譲渡前に発生し且つ遂行されていない労働債務については3年間をめどに、連帯で責任を負うものとする。(譲渡後に発生した労働債務についても、これに対し違反宣告がなされた場合には、連帯して責任を負わなければならない)
倒産手続きの局面においても同様に、倒産法第149条第4項(以前は第2項)において、労働権と社会保障の保護の観点から、生産ユニットが譲渡された場合は事業承継がなされたとみなすと規定されている。当該概念は、2014年10月29日付けの最高裁判所判決に(労働審判)よって、倒産手続きの過程における集団的整理解雇の承認後、清算会社の資産全体が移転された場合は事業承継があったと認めると結論づけたことによって裏付けられている。
上記判決は、清算時において、事業を継続することから派生する責任、例えば社会保障費のコスト等の免除を条件とした生産部門購入に関する提案がなされた場合、労働審判において事業承継が存在するとみなされ、上記記載の条件は生産ユニットの取得者、つまり譲受会社が負担すべきであるとの見解から、倒産手続きを行う商業裁判所の承認を得たこの種の免除は無効になる可能性があるとした。
またここで留意すべきは、スペイン労働者憲章第44条の適用範囲を決定する所轄機関及び、第三者が倒産手続きの清算段階で機能する生産ユニットを取得した場合、そこに事業承継が存在するのかどうかの判断を審理するのは、倒産手続きを扱う裁判所(商事裁判所)ではなく、労働審判であることである。2017年5月18日付の直近の判決第442号においても、上記の判断の正当性を支持している。
同様の概念は、通常の商行為における生産ユニットの取得の場合(倒産手続内でのM&A)にも適用される。この場合、ユニット取得者に保証あるいは、生産ユニットの移転前に生じた労働債務と同額程度の価値の担保を要求することができる。これらすべては、契約範囲において、義務に対して連帯責任を負う必要はなく、売り手すなわち譲渡会社が負うものとする。
ヴィシャビセンシオ・カルラ (Carla Villavicencio)
ヴィラ法律事務所
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2017年7月7日