株主総会の招集方法については、定款にあらかじめその方法が定められている場合にはそれが厳格に守られなければならないという見解は、登記・公証局(DGRN)により繰り返し確認されてきた。これは、株主の株主総会に出席する権利を保護するためである。
2019年2月5日付官報で公表されたDGRNの決定では、招集通知の送付方法が定款で受領証明付き証明郵便と定められている場合に、郵便局ではなく一般企業が提供する受領確認付き郵送サービスを利用した招集通知は有効と言えるのかが問題となった。
この点DGRNは以下の見解を示し、本件の招集通知の有効性を否定した。
郵便サービスの自由化がされた後も、スペインの郵便局運営会社であるSociedad Estatal Correos y Telégrafos, S.A.(以下「郵便局運営会社」という。)がユニバーサルサービスを提供することができる状態にある唯一の会社であり、スペイン政府との間で上記ユニバーサルサービスの提供に関する契約が結ばれている。そして、法の規定により、配達、引渡し及び受領又は受領拒否、配達不可能等に関する事実及び証拠の推定は、郵便局運営会社が発行する通知にのみ、これが働く。
本件においては、定款で招集通知の方法が「受領証明付き証明郵便による」と定められている。この点、定款であらかじめ招集方法が定められている場合、株主の株主総会出席の権利を保護するため、厳格に従わなければならない。
上述の通り、郵便局運営会社が発行する通知には配達、引渡し及び受領又は受領拒否、配達不可能等に関する事実及び証拠の推定が働き、これは訴訟での証拠力が認められている。それとは異なり、郵送のユニバーサルサービスを提供する一般企業が発行した通知の場合は、その証拠能力としての効力は私法によって規定される。
この違いを鑑み、定款に招集方法が「受領証明付き証明郵便による」と定められている場合、郵便局運営会社による受領証明付き証明郵便以外の方法で解釈をすることはできない。
露木美加
ヴィラ法律事務所
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2019年2月22日