I.    序文

12月27日に成立した法 16/2012号により、2013年1月1日を施行日として、2006年11月28日法第35/2006号の個人所得税法第43条の重要な改正及び法人税法、非居住者所得税法、資産税法の一部改正がされた。当該改正は、第三者所有の居住用不動産について雇用主がその従業員に対し譲渡をしている場合の新しい計算規則を制定するものである。

II.    計算規則の改正

改正前の個人所得税法第43条は、原則として、当該居住不動産の台帳価値の10%が現物給与額となる旨定めていた。しかしながら、新しい法律はより簡素な方法である、雇用主が実際に支払っている金額と同額とするために、その1.1項d)において、『現物給与による収入は支払者に生じた費用により査定し、そこには当該行為にかかる税金も含むものとする。現物給与には、支払者の所有物でない居住用不動産の使用も含まれる。』としている。
すなわち、従業員が利用・享受するために不動産を賃貸している会社で現物給与を構成しているような会社の場合、従業員が受け取る現物給与額は会社が当該住居の賃貸のために支払っている費用総額と同額となる。
また、明らかに低い賃料で取り決められるようなケースを回避するため、法は、いかなる場合においても査定の結果が第43条1 a)の定める額、すなわち、当該賃貸不動産の台帳価値の10%相当額を下回ることはできない旨、付け加えている。

ただし、2013年度課税年度については、第三者所有の居住用不動産を雇用主がその従業員に対し譲渡している場合の現物支給額の計算は、当該居住用不動産の賃貸借契約が2012年10月4日以前から継続している場合に限り、2012年12月31日施行の法第43条1項a)に基づき、従来と同様の計算規則が適用される。

III.     結論

法第16/2012号は、財政強化に貢献する目的を有しており、このために上述のような様々な方法が取られた。この対策は、従業員の実際の現物給与額を数量化し、最終的に従業員が現物給与として享受する利益を正確に評価するためのものである。従業員のための居住不動産賃貸による現物給与についてのこの新しい数量化の方法は、従業員のみならず会社も、自身が不正行為を犯さないようにするために考慮すべきものである。

 

ヴィラ法律事務所

 

より詳細な情報につきましては、下記までご連絡ください。

va@vila.es

 

2013年1月11日