去る7月30日に、前日2025年7月29日付で公示された勅令第681号が施行開始された。当該勅令は、スペインの革新的な中小企業に対する資金調達手段として、成長、競争力、およびその発展を支援する、産業観光省管轄の「中小企業スタートアップ支援基金:Fondo de Emprendimiento y de la Pequeña y Mediana Empresa (FEPYME)」の規制を目的としている。
本勅令は、昨年発生したダナ(スペイン特有の高高度孤立性低気圧)現象被害に関する経済回復措置を定めた勅令法第8/2024号追加条文第9条をさらに発展させたものとなる。
中小企業スタートアップ支援基金の目的は、具体的には、「参加型融資(ローン・パーティシペーション)の付与を通じて、民間セクター、及び類似する活動に従事する公共機関に対し、設立から成長段階までの持続可能で革新的な中小企業に直接的な財政支援提供、同様に、言語技術および自然言語処理技術分野での革新的な起業プロジェクト推進を希望する中小企業への支援提供」にある。
本基金は、公共機関である国立イノベーション機構(Empresa Nacional de Innovación :ENISA)の管理下、EUの「復興レジリエンス・ファシリティー」(Recovery and Resilience Facility)メカニズムを通じて主要な資金提供を受けている。そのため当該プログラム及びその受益者は、EUの環境目標と持続可能性目標を満たす必要がある。
国立イノベーション機構は、支援を希望する多様な中小企業の適格性判断、および支援決定に至る評価プロセスと基準確立のための運用ガイドラインを策定する必要がある。
基金の金額は、当初3億300万ユーロでスタートし、国家予算案の状況に応じて増額される可能性がある。支援はローン・パーティシペーションの形態で提供され、返済期間は最大7年、猶予期間は最大5年となり、元本の返済額は一定額が設定される
支援金の貸付金額は25,000ユーロ以上1,150,000ユーロ以下と定められ、いかなる場合においても会社自己資本額を超えることはできない。金利は、2段階に分けて変動しうる。第一段階はEuribor(欧州銀行間取引金利)に連動し、第二段階は受益会社の財務収益率に連動する。
貸付保証については、融資申請対象となるプロジェクト自体を除き、追加保証を提出する必要はない。
不動産、金融、および化石燃料関連業界の企業は、特定の例外を除き、支援対象とはならない。
要するに、本基金は、中小企業の資金調達方法の変革を目的とし、企業構造の近代化促進プロジェクトへの支援、EUの持続可能性と効率性の目標達成を目指すものである。
ヴィラ・オスカル (Óscar Vilá)
ヴィラ法律事務所
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2025年8月1日