2023年5月23日付命令(RDL 5/2023)は、スペインの営利企業の組織変更に関する包括的な規制を導入し、欧州指令との調和を図り、株主、債権者、労働者の利益保護を保証する手続きを確立した。内部合併の分野においては、同規制は、同一の企業グループ内での組織再編手続きの迅速化を目的とした一連の簡素化を規定している。
この文脈において、2024年12月16日付の法的確実性及び公共信用総局(DGSJFP)の最近の決定(2025年2月7日付の官報)は、構造的変更法(LME)の解釈における転換点となった。具体的には、労働者を雇用していない完全所有子会社の吸収合併については、雇用への影響に関するものであっても、取締役の報告書は必要ないことが明確にされた。
分析された事例:労働者を伴わないグループ内合併
DGSJFPの決定は、100%子会社の株式を所有する親会社が、全員一致の承認を得た包括的取締役会の決定により、後者を吸収合併することに合意した吸収合併の事例を分析している。この事例の特徴は、吸収される会社に労働者がいないという点であり、LME第9.2条に定められた取締役の報告書の要件に関する解釈上の論争を引き起こした。
商業登記官は、LME第9.1条では株主総会で合併が承認された場合の報告義務が免除されているものの、LME第9.2条では労働者の情報に関する権利は制限できないと規定されていることを理由に、合併の登記を保留した。このため、登記官は、吸収された会社に労働者がいないにもかかわらず、経営機関が労働への影響に関する報告書を作成し、労働者に提供した旨を経営機関が記載すべきであると判断した。
DGSJFPの解釈:LME第53条の適用
DGSJFPは、以下の理由に基づき、登記認定を取り消し、合併の登記を命じた。
- LME第53条の特別規定の適用
同総局は、吸収会社が被吸収会社の資本の100%を所有する合併においては、LME第53条の特別規定がLME第9条の一般規定に優先することを強調している。LME第53条では、株主宛てのセクションと労働者宛てのセクションを区別することなく、このようなケースでは取締役報告書を省略できるとしている。
- 完全所有会社の合併は、権力構造や企業構成を変えるものではない
決定では、この種の合併はグループ内における「単なる組織再編」であり、したがって労働関係に実質的な影響を与えるものではないと強調している。したがって、労働者が存在しない合併において労働者への報告を義務付けることは正当化されない。
- 内部合併における労働権の保証
本決定では、会社承継の場合の労働者憲章法第44条の規定が引き続き適用されるため、この簡素化が労働者の権利の縮小を意味するものではないことが強調されている。
実務上の影響:24時間以内の内部合併
本決定の最も重要な側面のひとつは、グループ内合併のスピードへの影響である。被吸収会社に労働者が存在しない場合、取締役報告書の準備、公表、交付の必要がなくなるため、合併に必要な時間が大幅に短縮される。
この免除は、完全所有会社の吸収合併においては、グループの構造や吸収会社の支配に実質的な変更がないため、正当化される。吸収会社は、この取引以前からすでに被吸収会社の全資本を保有していたため、この合併によって株主構成やガバナンスに変更が生じることはない。この文脈において、経営陣の報告書の存在意義は失われる。なぜなら、その主な機能は、取引の影響についてパートナーや労働者に通知することであり、親会社がすでに子会社を完全に支配しており、影響を受ける可能性のある労働者がいない場合には、それは無関係だからである。
同様に、DGSJFPの決議では、100%子会社の合併は、吸収会社の業務または財務構造に実質的な変更を意味しないことが明確にされている。実質的には、外部に影響を及ぼさない内部組織再編である。したがって、労働者が存在しない場合の労働影響に関する報告書の提出は無意味であり、不必要な官僚的障害をもたらすだけである。
この解釈によると、合併契約が承認され、LME第10条で定められた公告が完了すれば、公証証書はただちに発行される。これにより、総会で合意し、それを公表し、このタイプの合併を1日で登録することが可能になる。通常の状況下では、手続きが数週間に及ぶ可能性がある通常の期限を待つ必要がなくなる。
さらに、この決議では、90%所有の会社の吸収(LME第54条)、兄弟会社間の合併(LME第56条)、及び吸収される会社に労働者がいない場合のLME第71条に基づく簡素化された分割など、他の合併簡素化のケースにもこの解釈を適用できることが明確にされている。
業務効率化に沿った決定
DGSJFPの決定は、内部合併の簡素化に向けた前進であり、グループ内再編においては、手続きに付加価値をもたらさない形式的手続きは排除すべきであるという解釈を強化するものである。この発表により、企業はプロセスを最適化し、コストと期限を削減することが可能になる。しかし、この決議が簡易合併の雪崩を誘発するようなことがあれば、立法者は再びブレーキをかけざるを得なくなるであろう。しかし、それまでの間、24時間で合併できる人は、明日まで延ばさない方が良いでしょう。
アレクス・サントラリア(Álex Santolaria)
ヴィラ法律事務所