デジタル時代の進展と会社法のデジタル化により、古典的な原則を再確認し、ますます分散化する企業環境に適応する必要性が生じてきている。この文脈において、2025年11月21日付の司法・公証総局(DGSJFPの決議(以下、「DGSJFP決議」)は重要な進展を示しており、オンラインで開催される株主総会における公証人の権限と所在地に関して具体的に取り扱っている。
背景と従来の状況
多くの企業では、株主総会に公証人が立ち会い、議事録を作成することが一般的である。特に株主間で紛争がある場合、公証人による議事録の認証は重要な役割を果たす。
これまで、公証人法は会社・商業法に比べて部分的に時代遅れの側面を有していた。スペイン会社法(以下、「会社法」)やその規則は総会への公証人の立ち会いを認めていたものの、株主が異なる場所からオンライン上で参加する場合、公証人が物理的にどこにいるべきかは明確でなかった。
なお、2021年4月12日公布の法律5/2021(BOE 4月13日掲載)により、COVID-19パンデミックでの経験を踏まえ、会社法に第182条bisが追加され、株主総会のオンライン開催が規定された。この規定により、株主は物理的に出席することなくオンライン上での総会への参加が可能となった。ただし、これには以下の条件が必要である:
- 定款に明示的にオンライン開催の方法が規定されていること(必要に応じて定款の変更)
- または、定款に規定がなくても株主全員の合意があること
さらに、法令は以下の事項を保証することを要求している:
a) 参加する株主または代理人の身元確認
b) 適切な遠隔手段による株主の実質的な参加の確認
c) 技術面および会社の状況に応じた必要な措置の実施
問題とDGSJFPへの照会
今回DGSJFPに照会されたのは、実務上重要な問いであった:
完全オンライン総会において、公証人は本店所在地とは異なる場所、具体的には総会の議長がオンライン会議の技術的運営を担当する場所から議事録を作成できるのか?
第182条bisは、総会は議長の所在地に関係なく本店所在地で開催されたものとみなすと規定している。しかし、実務上、公証人が自らの管轄外で認証行為を行えるかについては不確実性があった。
DGSJFPの新たな二重基準
この問いに対し、DGSJFPは二つの柔軟的な選択肢を示している:
- 従来型の選択肢:公証人は会社の本店所在地におり、オンラインで開催される総会に関して議事録を作成することができる。この方法は定款上の本店所在地を総会開催地として形式的に扱われる。
- 議長所在地を基準とした選択肢:この場合、公証人は総会の議長がいる場所に出席し、総会運営の技術的拠点で議事録を作成できる。この場所は国内のいかなる地点でもよく、本店所在地の所在地域に制約さられない。
この2つの選択肢を設けることにより、会社法が総会を本店所在地で開催されたものとみなす一方で、公証人法が公証人の権限を所属地域に限定していたことから生じていた、商業法と公証人法の解釈上の不一致による法的不安を解消することを目的としている。
以前では、例えば本店がマドリードにある会社の株主総会がバルセロナで運営される場合、カタルーニャの公証人が参加できるかが問題となっていた。
この二重基準により、従来の公証人の管轄制限および特別な承認の必要性が排除され、株主や役員の分散化や総会のオンライン開催といった要請に適応している。
実務への影響
この決議は、株主や役員が地理的に分散している企業や事務所の運営に直接的な影響を与えるものである。例えば、本店所在地がマドリードにある会社が、バルセロナで総会の技術的運営を行い、カタルーニャの公証人がバルセロナに所在する議長と同席して議事録を作成することが可能となる。それにより、所在地域での活動への承認も不要となる。
この規制により、公証人によるオンライン総会への参加方法は法的に有効とされ、企業や公証人が総会の分散化に起因する争いから保護されることになる。
結論
DGSJFPの決議は、スペイン会社法のデジタル化における節目となり、所在地域の制約を排除するとともに、総会のオンライン開催に柔軟な運営モデルを確立することとなる。
国際的に事業展開する企業や事務所にとって、この指針は公証人の権限に関する明確に示し、総会の技術的運営を法的に有効に実施することを可能にする。すなわち、企業のデジタル化を現代企業統治の戦略的手段として位置づけるものである。
松岡研吾
ヴィラ法律事務所
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2026年 1月23日