部分的には既に活用されていない現行のスペイン・ドイツ間の1966年二重課税回避条約を置き換えるため、ドイツ財務相とスペイン副首相は新しい二重課税回避条約の枠組みについて合意し、2011年2月に開催されたスペイン・ドイツサミットにおいて署名がされた。
今年7月、草案作成が完了し、それにより新しい条約は2012年10月18日に施行されることとなった。しかしながら、新条約第30条の規定により、条約の規定の施行は全般的に2013年1月1日まで発効しない。
当該条約の目的の一つは、既存の規定を現在のスペイン・ドイツ間の経済・商業関係から生じるニーズに適用させることである。また、条約の構成及び内容を経済協力開発機構(OECD)の二重課税回避条約モデルに相応するように修正することも目的である。
当該条約は、下記のスペインの税について適用される。
個人所得税、法人税、非居住者所得税、資産税及び地方所得税及び地方資産税
ドイツでは、次の税について適用される。
所得税、法人税、事業税及び資産税
新条約で導入された内容のうち着目すべきは、キャピタルゲインに関する規定である(第13条)。
1966年条約の第13.1条は、不動産譲渡から生じる利益は、当該不動産が所在する契約当事者の国に従うとし、売主の居住国ではないとしていた。
第13.2条及び第13.3条が新設されたことにより、新条約では会社株式の譲渡から生じる利益についても同じ規則、または類似の権利が適用される。すなわち、当該資産の少なくとも50%が、直接または間接的に、不動産から構成される場合、また、株式、持分、その他の権利の譲渡から生じる利益が、直接または間接的に、当該株式等の保有者に対し不動産を享受する権利を与える場合、これらいずれの場合においても、課税は当該資産が所在する場所においてなされる。
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2012年9月14日