2026年10月8日付スペイン官報(BOE)において、金融分野に影響を与える法改正にかかる2026年10月7日付勅令第813/2026号が公布された。内容の大部分はマネーロンダリング防止を定めるものであったが、第4条は、勅令第1362/2007号の大幅改正にかかるものであった。当該勅令は、セカンダリー取引市場、もしくはその他のEU規制市場で証券取引発行体の透明性についてを定めるものとなる。
資本市場の競争力向上を目的とした本改正は、EUの規制簡素化戦略の一環として、来る10月28日に発効する。本改革には主に2つの目的がある。第一は、十分な透明性を維持し、欧州の規制との整合性を高めつつ行政手続上の負担を軽減すること。第二は、EU市場濫用規制(EU規則第596/2014号、MAR)の取引報告制度と重複していた国内義務の廃止にあった。株式公開買付け(OPAS)における報告基準は、1%から3%に引上げられる。
本改革実施までは、公開買付け実行時に、取得株式が議決権の1%に達する、あるいは超えた場合に、対象となる会社の株主には、スペイン証券市場委員会(CNMV)に届出する義務が課されていた。この義務は、公開買付けの公告から決済または撤回に至るまでに適用された。すでに議決権の3%以上の株式保有者は、以後、保有割合を変更するいかなる取引についても届出せねばならなかった。
新規制では、この閾値を1%から3%に引上げた。公開買付けの応募期間中、株主は、取得株式の割合が当該割合に達した、あるいはそれを超えた場合に届出を行わなければならない。すでに当該水準に達している、あるいは超える株主については、規則に変更はなく、保有割合を変更するいかなる取引についても届出を必要とする。
実務上は、公開買付けにおける新たな特別届出基準は、スペイン証券市場委員会が定める重要な株式に関する一般的基準と現在は一致するようになった。これにより、投資家、とりわけEUスタンダードに順応している外国人投資家にとって、モニタリングが容易となる。
取締役・経営陣:重複義務からの解放
これまで、スペイン上場企業の取締役らは、発行体の株式や金融商品を取得もしくは譲渡するたびに、保有する議決権について証券市場委員会に報告義務を負っていた。しかしながら2020年3月2日以降、同委員会は、EU市場濫用規制第19条(NOD)に定める経営陣の取引届出によって、この義務が履行されたものとみなようになった。その目的は、スペイン国内の発行体取締役に対する義務を欧州の規制に整合させ、同一の取引について重複する届出義務を課すことを回避することにあった。その後、法律第5/2021号において、証券市場法に定めた当該特別措置が廃止された。勅令第813/2026号は、この動向を完結させ、勅令第1362/2007号第25条第2項、第31条、第35条第3項、第35条第9項、第36条第2項、第47条、および付則第1条に定めていた取締役および経営陣への届出義務を廃止、改正するものとなった。
自己株式:閾値超えの場合のみ届出義務
従来の制度では、発行者には、前回の届出以降に購入した自己株式の合計が議決権の少なくとも1%以上に達する都度の届出義務が課されていた。その際、売却分は差引く一方で、前回届出以降に行ったすべての売買について詳細を記載する必要があった。
勅令第1362/2007号第40条第1項において、自己保有株式が議決権の3%、5%、または10%の閾値を上回るか下回る場合に限り、発行者には証券市場委員会への届出を義務付けた。これは、自己株式の取得または譲渡が一括、もしくは複数回に分けてじっこうされるか、そして直接の実行、支配下にある事業体または仲介者を通じての実行を問わずに適用される。
さらに、同勅令第41条c)項を削除したため、閾値を超過する度に取引を個別に特定・報告する必要はなくなった。これにより、総取引に基づく制度から別のネットポジションという透明性にかかるEU指令に沿ったに基づく制度へと移行することとなる。
Arturo Cabellos
ヴィラ法律事務所
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2026年10月23日