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エネルギー消費の監査

去る2月13日発行のスペイン官報で公布された2016年勅令第56号は、エネルギー効率に関する2012年10月25日付欧州議会及び欧州評議会指令第27号を国内法規に反映するものである。当該指令は、エネルギー監査、サービス供給者及びエネルギー監査員の資格証明及びエネルギー供給の効率化促進を規定するものである。(以下、「2016年勅令第56号」という。) 当該規定は、目下のところ達成には程遠い欧州連合の目標「2020年までのエネルギー効率20%向上」に焦点を合わせたものである。 2016年勅令第56号の適用により、大企業は今後エネルギー消費効率の向上のために監査が義務付けられる。加えて、監査員やエネルギー供給者といった専門職に就くための最低限の要件が設けられる。さらに、生産工程、加熱及び冷却時におけるエネルギー効率化の促進についても規定がされる。 1.エネルギー監査 中小企業に該当しない企業には、4年毎にエネルギー監査の実施が義務付けられる。 この監査の適用対象となるスペイン企業の数は約3,800社、およそ27,000カ所の事業所が該当すると試算されている。 2.エネルギー監査員 2016年勅令第56号の主なポイントの一つは、エネルギー監査員の資格要件であり、同勅令第3章に規定されている。エネルギー監査員は、大学または専門教育での学位取得者、もしくは専門の理論及び実技技能を持つ有資格者でなければならない。また、エネルギーサービスの供給者に損害賠償責任保険への加入を義務付けている。 エネルギー多様化・省エネ機関(IDAE)の電子センター内に、エネルギーサービス供給の認定事業者リストの掲示が予定されている。 3.コジェネレーション規定 また2016年勅令第56号は、高効率コジェネレーション及び都市部の冷暖房システムの出力評価を義務付けている。これは、国の発展計画に関する情報を投資家へ開示し、適正かつ安定した投資環境に資することを目的としている。 4.期限 2016年勅令第56号の施行後、2事業年度以上にわたって大企業の条件を満たしている企業は、過去4年以内にエネルギー監査を実施していない限り、9か月以内に第一回目の監査を実施しなければならない。 5.罰則規定 本勅令に含まれる条項に違反した場合、2014年10月15日付法第18号(成長、競争力及び効率に関する緊急対策の承認に関する法律)第80条及び第82条に従った罰則が適用される。 より詳細な情報については下記までご連絡ください。 info@vila.es  

商標に関する新しいEU指令

ほぼ誰の気に留められることなく、クリスマス直前の2015年12月23日、欧州議会及び欧州評議会指令第2436/2015号がEU官報(Diario Oficial de la Unión Europea)にて公示された。この指令(以下「商標に関する新指令」という。)はEU加盟国における商標に関する法令へのアプローチであり、廃止されることとなる既存の指令(EU指令第2008/95号)を一部修正しつつ改訂するものである。 商標に関する新指令の主たる目的のいくつかは(i) 共通商標システムにおいて存在する相違点を減らすこと(ii) インターネット時代への商標システムの適合及び(iii) 競争力と成長に寄与するようなより幅広い調和をもたらすこと。 主な改正点は以下の内容である。 1.登録条件の統一化 商標を構成することができる標章例のリストを作成しなければならない。この点において、標章の明確かつ正確な表示をするため、今後は、一般的に使用可能なテクノロジーを使って適切と考えられるあらゆる様式で標章を表示することが認められることとなり、図表によって表示する必要はなくなる。 さらに、商標の登録却下事由、または、特異性の欠如を含む商標の固有性に関する無効事由は、詳細に列挙されなければならない。このため、新指令は欧州規則第207/2009号において用いられている地域指示に関する規定を含んでいる。 2.保証商標(marca de garantía)や証明商標(marca de certificación)の拡大及び団体商標(marcas colectivas)に関する規定 新指令は、いわゆる「保証商標(marcas de garantía)」や「証明商標(marcas de certificación)」および「団体商標(marcas colectivas)」に関する規定を拡充している。保証商標は、商標によって保護される商品やサービスについて技術関連の規定、品質に関する規定等の要件を充たしていることを証明するために、それらの権利者に対して使用が認められる。 他方、「団体商標(marcas colectivas)」は共通の仕様をもつ商品やサービスを促進するためのツールとして用いられる。したがい、国内の団体商標はEUの団体商標に適用される規定と類似した内容であることが適切と考えられる。この点において、団体商標は、すべての商標と同様に、権利者である団体の一員の商品またはサービスを他の企業の商品またはサービスと区別するために適切であると定義される。 3.偽造商標対策手段の拡大 商標に与えられる保護を強化し、WTOの枠組み、具体的には輸送の自由に関するGATT第V条に基づき、加盟国の国際的な義務に応じて偽造商標への対策をより効果的にするため、またジェネリック医薬品に関しては2001年11月14日にドーハでのWTO大臣級会合で承認された「TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)及び公共衛生に関する宣言」に沿って、新指令は、商標権者にその商標が登録されている加盟国において、登録商標と同一である、または重要な要素において登録商標と同一であると認められる商標を用いた商品が第三国から輸入された場合には、当該加盟国で当該商品が通常の手続きで通関される前に、その流通を阻止する権利を与える。 4.国内機関とOHIM(欧州共同体商標意匠庁)との連携強化 上述した様々な分野と同様、商標実務と商標検査・登録に関するツールの統一化を目的として、各国内機関は相互に、またOHIMと効果的に提携することができる。 5.国内法令への反映期限 加盟国は新指令第3条乃至第6条、第8条乃至第14条、第16条乃至第18条、第22条乃至第39条、第41条、第43条乃至第50条を2019年1月14日までに国内の法律、規則及び必要な行政通達に反映させなければならない。 ただし、第45条については、2023年1月14日までとされる。 より詳細な情報については下記までご連絡ください。 info@vila.es  

私たちの事務所は拡大し続けます

ヴィラ法律事務所に新しい弁護士が2名加わりました。 カルラ・ビジャビセンシオ (Ms.) 訴訟・仲裁の分野で多くの経験を有する。ESADEビジネススクールにて法学部卒業後、ロンドン大学クイーン・メアリーカレッジにて国際紛争解決の修士課程を修了。 言語:スペイン語、カタルーニャ語、英語、フランス語 E-mail: cvg@vila.es オクタビア・カンプス・ネグリエ (Ms.) 会社法及びドイツ・オーストリア商事法の分野で多くの経験を有する。オーストリア・グラーツ大学、ドイツ・自由大学の法学部に留学経験有り。当事務所のジャーマン・デスクを担当。 言語:スペイン語、カタルーニャ語、英語、ドイツ語 E-mail: ocn@vila.es 二人を心より歓迎します。 2015年12月2日

政府による電磁的方法を用いた会社の設立・消滅のメカニズム向上

1. 導入: 単一電子文書 (Documento Único Electrónico: DUE) 2003年、スペインにおいていわゆる新形態合同会社(sociedad limitada Nueva Empresa) という新しい形態の法人が創設されたのに合わせて、2003年6月7日付勅令第682/2003号が発令され、会社法の分野に単一電子文書 (Documento Único Electrónico: DUE) が導入された。 DUEは、当初、電磁的方法によって新形態有限会社の設立ができるようにすることで、新規の起業家の会社設立の費用・文書・時間を軽減することを目的として導入された。 時の経過とともに、DUEの利用は他の法律行為にも及ぶようになった。2006年には通常の合同会社(S.L.)、2010年には個人事業主(個人事業主)、2013年には協同組合(Sociedades cooperativas)、民事会社(Sociedades Civiles)財団(Comunidades de bienes)、従業員保有合同会社(sociedades limitadas laborales)等に当該文書の使用範囲が拡大された。 2. DUEを利用した手続き DUEによって行うことができる手続きは以下の通りである。 1)会社の商号申請 2)NIF(税務識別番号)の申請 3)譲渡税及び印紙税の納税申告・清算 4)事業開始届の提出 5)被雇用者の労災(事故及び疾病)保険の登録、及び休職時に被雇用者に社会保険から支給される経済的補償ための手続き 6)社会保険制度への事業主の登録及び社会保険料支払口座の開設 7)船舶及び水上用の乗り物の登録 8)従業員の社会保険登録手続き 9)事業税の登録 3. 改正 従前は、DUEは電磁的方法を用いた手続きにより会社を設立する場合に必要となる書類と理解されていたが、2015年10月2日付勅令第867号により、DUEを用いて個人事業主および合同会社の起業家の事業からの退任の手続き及び合同会社の事業の終了と解散・清算手続きを行うことができるようになった。 新しく手続きが可能となったのは、以下のとおりである。 a)商業登記所における会社の解散、清算、消滅の登記、清算人の任命登記、支店の閉鎖登記、その他登記記録事項の閉鎖登記 b)会社の消滅、事業活動の終了、および従業員の社会保険の登録解除の届出 c)国の事業主調査に対する事業の終了及び登録解除の届出、事業税の登録解除申告 d) 会社もしくは事業所が登録されている国、自治州及び市町村の事業登録の解除手続き e) 国、自治州及び市町村への事業停止の届出(届出が義務付けられている場合) f)合同会社の起業家の場合、商業登記所、不動産登記所その他のあらゆる登記所における、会社の事業活動またはその職業を実施するなかで生じる債務により差押えの対象とならない資産及び有限責任の登録抹消 g) 船舶及び水上用の乗り物の登録解除 2015年勅令第867号は、2013年9月27日付法第14号起業家法が承認された際にも記されたように、資本会社法附則第3条の定める内容を発展させたものである。 より詳細な情報については下記までご連絡ください。 info@vila.es 2015年10月30日

新刑法への対応 義務と捉えるか好機と捉えるか

スペインのどの法人が法的に該当するのか。 2010年6月22日付基本法第5号改正刑法が施行されるまでは、「法人は罪を犯すことができない(societas delinquere non potest)」の原則が適用されていた。 先述の法により、私法の適用を受ける法人(商事法人)が刑事責任を負う要件及び刑事責任が免除または軽減される要件が制定された。 法人の刑事責任に関する規定は国家行政、地方行政、行政法人、役所、国際法に基づく公的法人、その他の公的権力や行政を担う公的法人には適用されない。 法人が刑事責任を負うための要件とは 「ある法人の事実上の、または法的な取締役として行為を行なう者、または、他者の法定または任意の代理人が、当該個人自身においては犯罪行為の要件、評価または当該犯罪行為の行為者としてみなすことができるような関係性を有しない場合であっても、そのような状況が当該法人または委任者である個人において見られるようであれば、取締役または代理人は個人的に責任を負う。」(刑法第31条) 法人自身は、以下の場合において刑事責任を負う。 自身の名前またはにおいて、自己の直接または間接の利益のために、法人の法定代理人またはその組織の一部として個人的に行為を行なう者で当該法人の名前で決定をする権限が与えられていたり、組織の権限を有していたり、法人内のコントロールを行なう権利を有する者が犯した犯罪行為(刑法第31条bis第1項a)。 前項に記載されている個人が、重大な過失により、その監督下にある被雇用者または従業員に対する監督者としての善管注意義務に違反したことに起因し、当該被雇用者または従業員が犯罪を構成するような行為を行なった場合の当該犯罪行為(刑法第31条bis第1項b) 法人に適用される刑罰 法人に対しては「重度の刑罰」(刑法第33.7条)が適用される。以下が適用される罰である。 罰金 法人の解散命令 事業の一時停止 事業所の閉鎖 犯罪行為に関連するような事業活動の禁止 助成金や公的支援等の受給資格、公共事業への申請、社会保険料の特別措置等の資格剥奪 その他の法的介入 起訴や有罪を避けるためにすべきこと 犯罪行為が会社名義または法的な代表者、または会社名義で決定を行なう権限を有する者で法人組織の一部を構成するような個人によって行なわれた場合、以下の事情が認められれば、当該法人の刑事責任が免除される(刑法第31条bis第2項)。 犯罪行為の実行前に、経営組織が有効に、犯罪行為防止または犯罪リスクを大幅に軽減するために適切な管理・監督方法を含む組織及び手続きモデルを承認し実行している。 A.-(犯罪行為防止プログラム、すなわちコンプライアンス・プログラムの導入) 導入されたプログラムの監督・機能・遂行が法人内の組織にその主導権及びコントロールの自治権または法人内のコントロールの効率性を監督する機能が法的に委ねられている組織が存在すること。 B.-(コントロールを行なう法人内組織 = コンプライアンス・オフィサー) 犯罪行為を行なった個人が、予防プログラム及び組織を詐欺的に欺いて当該犯罪行為を行なったこと。 会社により事前に定められたコントロールに違反したことが証明されれば、当該事実は免責事由とみなされる。 管理・監督権限が与えられている組織に管理-監督及びコントロールの不作為または不十分な実行という事実が認められないこと。 C.-(義務履行を示す証拠の収集) 犯罪行為が法人の代表権を有している個人でない者(被雇用者や従業員等)によってなされた場合、当該犯罪行為よりも前に、犯罪行為防止または犯罪リスクを大幅に軽減するために適切な組織及び手続きモデルを承認し実行している場合には、法人は刑事責任を免除される。 小規模会社*(簡易版損益計算書の提出が認められている会社)においては、管理監督機能及び犯罪予防モデルは経営組織が担うことができる。(刑法第31条bis 3) 「刑犯罪予防プログラム」が充たさなければならない要件 コンプライアンス・プログラムは以下の要件を充たさなければならない(刑法第31条bis第5項) 犯罪行為を犯す可能性がある事業活動が特定されていること (リスク・マップ) 法人の意思決定プロセスを具体化するプロトコルまたは手続きを制定していること (行動指針・プロトコルの作成) 犯罪予防プログラム実行のための適切な資金処理モデルを備えていること (資金) 潜在的リスク及び義務違反についてコンプライアンス組織への報告義務を課していること(告発窓口) 義務違反に対する懲罰システムを構築していること(懲罰システム) 関連する違反が明らかになった場合や組織に変更が生じた場合に、コンプライアンス・プログラムの定期的な見直し及び改正を行なうこと(定期的な見直しシステム) 刑事犯罪防止プログラム作成時の必要手順 現状の把握及び行動プログラムの制定 ・現状把握 ビジネスプロセス、手続き及びコントロールの特定 リスク分析:リスクマップの作成 犯罪防止の為の処理モデル制定のためのプログラム ・手順及び管理体制に関する書類作成 手続き及び管理に関する書類 会社の方針に関する書類 特定されたリスクを軽減する為の管理方法の設計 管理監視システムの設計 コミュニケーション及び研修プランの作成* ・プログラムの実行および評価…

スペイン新特許法

去る7月25日、2015年7月24日付法第24号特許法が公示された。本法律は現行制度を全体的に見直し、1986年に制定された現行法を全面的に改正するものである。 基本的な目的は、国際法制の改正や現状に即して法をアップデートし、国際法制の規定に準ずる内容とすること、及び、スペイン経済及びスペイン企業の競争力を高めるための軸としてイノベーションの役割を強める目的で、強固な特許を創出しスペインの特許体制をより強化することである。 以下に主な改正点を列記する。 1. 申請手数料の減額及び手続きの迅速化 新法では、起業家及び中小企業が特許を申請する際の申請手数料や特許検索手数料を50%減額する。さらにその他の行政手数料を引き下げ、特許取得に向けた手続きを容易にすることを図る。 2. 新規性及び発明活動の審査手続きの単一化 新法は、事前審査なしの特許取得ができる現行制度を廃止し、職権で申請された特許の新規性及び発明行為の審査を行う単一手続きを新たに設けることで、EU 特許条約に即する形でスペインの特許制度を構築し、スペイン特許を強固かつ格式あるものとする。これにより、「強い特許」と「弱い特許」が共存する現状を打破する。 3. 特許可能となる新物質の追加 医薬品や新しい治療方法の適用に使用されていることが既に知られている物質または合成物を特許対象に含む。ただし、野菜、動物、生物学的一連の処置及び外科または治療手術の方法は除く。 4. 特許補完証明書(Certificados Complementarios de Protección)の申請及び取得に関する規定の整備 新法では、特許の保護証書のなかでも、特許補完証明書(Certificados Complementarios de Protección)を明確に導入する。この証明書は医薬品または植物衛生品にかかる特許の保護期間を5年間延長する証書であり、特許権者が商品化のための義務的許認可を受けるまで待機することを理由に、 自身の特許の目的を開発することができない期間を補償する効果をもつ。 5. 義務的ライセンスにかかる新規定 公共の利益のために特許権者がライセンスを取得する義務を負うような特許(例えば公共衛生に問題があるような国での開発用の医薬品の製造にかかる特許)に関する義務的ライセンスにかかる規定を簡素化する。 6. 実用新案(los modelos de utilidad)についての重要な変更(世界的な改正) 新法では、実用新案に関する現行制度を改正し、実用新案権によって保護される発明のために世界的に要請されているところに従い、特許に類する制度を設ける。スペインにおける近時の判例で示された内容に従い、現行法で定められる新規性の要件を国内に限って修正する。 発明行為については、発明行為の正当性を強くは要請しない1986年特許法の制度を維持し、当該発明が技術的に 当該分野の専門家にとって非常に明らかな方法であると判断されない場合には、実用新案権が認められる。 本法律の施行日は2017年4月1日である。 より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 info@vila.es 2015年8月18日

映画産業における助成金の新規則

去る7月10日教育・文化・スポーツ省はホームページにて映画法関連規則の草案を公表した。当該情報は7月28日まで下記のページにて公表されている。(http://www.mecd.gob.es/servicios-al-ciudadano-mecd/participacion-publica/abiertos/ley-cine.html) 当該規則案の主な内容は以下のとおりである。 1.映画作品及び映像作品のスペイン国籍証明 映画・映像芸術協会(Instituto de la Cinematografía y de las Artes Audiovisuales)より、映画または映像作品が完成した時点で映画・映像製作会社または配給会社の申請に応じて発行される上記証明書の取得手続きの簡素化案が示された。 2.年齢制限評価 また、年齢制限及び公開性評価の手続きも簡素化される。年齢制限は以下のように分類される。 a) 特に幼児に推奨される b) すべての公衆に適切 c) 7歳未満の子どもには非推奨。 d) 12歳未満の子どもには非推奨 e) 16歳未満の未成年には非推奨 f) 18歳未満の未成年には非推奨 g) X指定 3.振興策 新しい規則では映画産業のための補助金や助成金について本質的かつかなり踏み込んだ規定を設けている。 最も重要な点は、現状において映画公開から2・3年後に支給されている補助金が、新しい規則では、前もって支払われることになる点である。 この点、映画・映像芸術協会は映画法の定める直接の補助金の申請について、以下に従い公示することができる。 1.一作品への補助金額の総額は当該作品の予算の50%を超えることはできない。ただし、複数のEU加盟国により国境をまたいで資金調達しているような作品や、複数のEU加盟国の製作者が参加しているような作品は除く。これらのケースにおいては、補助金の総額は作品の予算の60%が上限とされる。 2.上述の制限については、下記のような「難しい映像作品」であるとみなされるような作品については、適用が除外される。 a)  短編映画。この場合は製作予算の75%を上限に補助金を受けることができる。 b)  新人監督による作品で、製作予算が100,000ユーロを超えないもの。この場合は製作予算の70%を上限に補助金を受けることができる。 c)  カスティリャーノ語(公用スペイン語)以外の準公用言語が用いられている映像作品。この場合は製作予算の60%を上限に補助金を受けることができる。 3.自然人、法人とも補助金を受ける主体となることができるが、法人の場合は以下の要件を充たさなければならない。 a)  補助金の受領時において、スペイン居住者またはスペイン国内に施設を有していること。 b)  映画または映像作品の企画、製作、配給及び公開事業またはそれに関連する経済活動を行なっていること。 c)  補助金がスペイン国籍(共同製作を含む)でありかつ文化的検閲を受ける映画または映像作品の製作資金として使われること。 d)  映画の製作、配給公開事業や関連した技術産業を事業目的とする営利目的団体(Agrupaciones de Interés Económico) は、同事業を行う他の形態の会社に適用される条件と同条件に基づき、補助金を受けることができる。 規則案第28条に従い、助成金はいかなる場合においても第三者へ譲渡することはできない。 より詳細な情報につきましては、下記までご連絡ください。 info@vila.es 2015年7月17日

野菜の特許出願の可否

欧州特許庁審判部(以下« EP »)による2015年3月25日付の決定G2/12及び決定G2/13は、議論を呼ぶものとなった。 両決定は、植物や植物材料関連商品の特許の可能性を認めた。これは、欧州特許条約第53条b)が定める、植物および動物の生産における本質的な生物学的プロセスに関する特許取得を認めないという原則に反しうる。しかしながら、EPは当該条文の解釈として、特許性の排除は、植物や植物の一部(果実を含む。)のような収穫方法の結果取得できるものに適用されるのではなく、例えば、今回分析されたケースによれば、ブロッコリーやトマト等の収穫のための方法に限定して適用されるとした。 これら決定は、主に倫理的、社会経済的な懸念に基づき、いくつかの国際機関から強く非難されている。 例えば、« No Patents for Seeds »という団体は、当該決定により企業が人々の日常生活において必要な資源に関してコントロールをする事を可能にしてしまうと明言している。これは市場の集中化をもたらし、多国籍企業に過度に依存している小規模農家に損害をもたらし、最終的に消費者をも傷つけることになる。 当該議論は、EPが主張した法的な論点についてというよりも、立法政策上の理由により交わされた。 ブロッコリーやトマトの例は今後起こりうることの予兆に過ぎないだろう。植物品種の加工及び医療プロセスへの適用の双方におけるバイオテクノロジーは、将来、社会に大きな変化をもたらすものとされる。当該セクターへの投資を可能にするために、企業は国に対し、特許や他の知的財産権によって当該発明や技術の独占を事前に保証するよう求めるだろう。他方、国は、それにより得るものと失うものを勘案し、共通の利益を維持するための適切なバランスを見つけなければならない。 より詳しい情報につきましては、下記までご連絡ください。 info@vila.es 2015年6月22日

知的財産の保護期間に関する新たな疑問点について

スペイン知的財産法(Ley de propiedad Intelectual、以下“LPI”)によると、知的財産の保護期間は作者の生存期間及び死後70年までと規定されており(第26条)、当該規定は一般的な文学、芸術及び科学作品に適用される。 しかしながら、直近の最高裁判所の判決では、1987年以前に亡くなった作者の作品について、LPIの暫定措置法第4条に基づき、上記規定の適用を否定している。この場合の知的財産保護期間は、1879年に定められた旧LPIに基づき、生存期間及び死後80年とされる。 2015年4月13日の最高裁判所の判決にて、イギリス人作家G.K.Chestertonの相続人及びスペインの編集社であるEnokia,S.L.との議論に決着がついた。 当該作家の相続人たちは、Chestertonの死亡時(1936年)に適用されていた1879年施行の旧スペイン知的財産法に基づき、未だ当該作家の作品は公有財産となっていないため、スペイン編集社における当該作家の作品の商品化を中止するようロイヤル・リテラリー・ファンドを通じて、抗議した。 一方Enokiaは、文学、芸術作品の保護を目的とするベルヌ条約第8条7項よると、知的財産の保護期間は作品が作られた国の規定を超える事はできないとされ、イギリスでは既に公有財産と見なされている事から、当該条約に違反するとし申し立てを行った。 最高裁判所は、スペインの欧州連合(EU)加盟により、ベルヌ条約第8条7項は欧州連合における非差別の原則を尊重した形で解釈されなければならないとした。 また、欧州連合司法裁判所(TJUE)におけるBohémeのケース(C-360/00)の判決を例に挙げ、1924年に逝去したプッチーニのオペラ作品に対するドイツでの保護期間の認識について言及した。なぜなら、プッチーニの母国イタリアでは、知的財産の保護期間がドイツよりも短かったからである。 TJUEは、他のEU加盟国出身者の作品に対して、EU加盟国の基準により認められた知的財産の保護期間が、作者出身国の保護期間よりも短いことは、CE条約に反するとした。 最高裁判所の判決により、イギリスにおいては既に数年以上前から公有財産と見なされている一方で、スペインにおいてはChestertonの作品の保護は継続されるという結果となった。 この判決により、1987年以前に亡くなった作者の相続人に対して、将来的に知的財産保護期間を10年間延長する請求が行える可能性が明確となった。 より詳しい情報につきましては下記までご連絡ください。 info@vila.es 2015年6月12日

スペイン抜きでのEU特許の進展

ヨーロッパ統一特許制度(EU特許)はヨーロッパ特許に関する条約に署名したEU加盟国における発明の保護を簡易化する新しい制度である。その主たる特徴は、1つの特許でEU全域において統一した保護が受けられる点、また当該案件について独占管轄を有する特別裁判所が設置される点にある。 「ヨーロッパ特許」と呼ばれる現行のシステムは「EU特許」とは異なるものであり、各国の法令によって定められた保護を保証するものである。したがって、統一の特許権を与えるものではなく、ヨーロッパ特許事務所(OEP)を通じて特許申請をまとめて行い、特許権の保護を適用してほしい国を個別に指定することが可能となるに留まる。本制度が抱える多くの問題のうち、言語の壁について特筆する。全EU加盟国において特許の保護を受けるには、特許の内容をすべての国の公用語に翻訳しなければならず、費用がかさむことになる。この言語の問題は、EU特許では英語、ドイツ語またはフランス語の公式言語を使用すれば事後に翻訳の必要が生じることなく、統一的な保護を受けることができることになる。 しかし、この言語の問題こそ、スペイン(及びイタリア)が自国の公用語が公式言語から除外されたことは差別であるとして、今日までEU特許制度に反対する理由である。この点、スペインは(i) EU機能条約第118条は2012年EU規則第1257号を承認する法的根拠にはならないこと、及び(ii)2012年EU規則第1260号に関して言語に基づく差別があることを主張し、欧州裁判所に対してそれぞれ異議申立てを行った。 しかしながら、2015年5月5日付判決を通じて、欧州裁判所はスペインのいずれの申立てについても却下した。判決では、2012年EU規則第1257号について、EU特許を許容するための要件を設ける目的のために機能するものではないことを認め、かつ、いかなる場合においても、統一保護は参加国によって特許による保護が異なることを避けるために適切であるとする一方で、当該規則によって定められた言語制度は、EU特許申請者の利益と他の会社の利益の間の必要なバランスを保ち、EU特許へのアクセスをより容易かつ費用を抑えるものであると示した。 EU特許システムに関連して、スペインは新たな逆境に直面しており、イタリアとともに本件条約案に参加しない数少ない国であるという状態が継続している。 現状、スペインは、署名国がEU特許施行のための特許統一裁判所にかかる合意書の批准を行うのを待っている状態である。当該施行には13の条約批准国及びドイツ、イギリス及びフランスの参加が必要であり、2016年か2017年の施行が予定されている。 より詳しい情報につきましては下記までご連絡ください。 info@vila.es 2015年5月15日