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例外的な理由に基づく居住許可の延長

2019年5月27日、スペイン最高裁場所は、例外的な理由に基づく居住許可について、当該状況にある状態が1年以上経過した場合であっても、その延長を認める余地がある旨の判決を示した。 本件は、スペイン国籍の子を持つ親の居住許可(例外的な理由に基づき認められる居住許可)について延長申請がなされたものの、アリカンテの政府機関が移民法施行規則では当該延長が認められないとの理解のもと、それを却下した。アリカンテ行政裁判所及びバレンシア県高等裁判所のいずれにおいても、原告である父親の異議を却下し、更新を認めないとする移民局の判断は適切との判決が出されたため、最高裁判所に上告され、争われることとなった。 なお、例外的理由に基づく居住許可の延長について定める移民法施行規則第130条第1項では、以下のように定めている。 「En virtud de su carácter excepcional, las autorizaciones concedidas con base en los artículos precedentes, así como sus prórrogas, tendrán una vigencia de un año, sin perjuicio de lo establecido en este artículo y en la normativa sobre protección internacional」 最高裁は「上記規則を一見するだけでは、この期間が最初の居住許可及び延長を含んだ最長の期間を定めているのか、最初の居住許可とその後の延長はそれぞれ個別に適用される期間なのか、疑問が残るところである」と示した。 また、「本件居住許可の例外性、すなわち、国際的な保護、EUの方針、他の行政機関との連携、国家保証、公共の利益といった理由を鑑みるに、この1年という期間は居住許可と延長の合算の最長期間とのみ解釈するのは、合理的ではない。」と加えた。 さらに最高裁は、例外的な理由に基づく居住許可の期間は、その名前が示すように、明らかに一時的であると述べた。これら居住許可の目的は例外的な状況に対応するためであることから、その有効起源は例外的状況の継続する機関と異なることはできない。このことから、なぜ施行規則が1年という居住許可及び延長の期間を設けているかの説明がつく。居住許可及び延長の期間を1年と調整することで、例外性に立ち向かうための必要な期間以上に延長をしないようにすることを目的としていると解される。 具体的に本件については、最高裁は、スペイン国籍の未成年の父親または母親が、家族を理由とした例外的な居住許可を有していて、未成年者の責任を負い、かつ、未成年と同居している場合、または、当該未成年について養育義務を負っている場合には、1年の期間を経過後も状況に変化がなく、申請の時点で状況に変化がなければ延長は認められないというのは意味を欠く。しかし、ただ意味を欠くだけではなく、そのような解決は内務省のWebページに矛盾し、国内法及びEU法における未成年の法的保護に間接的に違反することになる。これについて内務省のWebページでは、例外的な状況に基づく居住許可の保有者の状況の延長について、社会保険庁によって認められた許可の保有者であることを通知すれば、居住許可を認めた管轄行政機関が当該状況について認める場合には、延長することができると明白に規定されている。 このように、最高裁は異議申し立て及び控訴において適用された解決は、間接的ではあるものの、我々の法制度における未成年お法的保護に明確に反するものであると結論づけ、父親の居住許可延長申請の権利を認めた。   より詳細な情報につきましては、下記までご連絡ください。 露木美加 va@vila.es   バルセロナ、2019年6月21日

社員持分(株式)の強制譲渡

スペイン資本会社法の第109条は、社員持分の強制譲渡関し、以下の様々な条項を規定する。 (1) 第一に、ある社員の保有する社員持分または株式の差し押さえ(強制執行)に関し決定を下した裁判所または行政当局より通知を受けた場合、会社は商業登記簿に当該差押えを登記し、他の社員に直ちに前記通知受領を通知する義務がある。 (2) 第二に、債務者の競売が実行後、若しくは法的に決定された強制譲渡実行の事前に、管轄当局は本件競売売却承認および所有権移行を一時中止しなければならないと規定する。裁判所あるいは行政当局は、株式もしくは強制譲渡対象の持分の状況を会社通知すると同時に、最大5日以内に同状況を他の社員へ通知する義務を有する、とする。 (3) 最後に、前述の競売売却承認もしくは所有権譲渡は、会社の定款に定められている場合において社員もしくは会社自身が優先的取得権を行使しない限り、会社が前述の通知を受けた日から1カ月後に成立すると規定する。 しかしながら、スペイン有限会社であるLORCLIMA社は社員持分の強制譲渡において、前述の(2)に当たる手続きの停止に先立ち、持分優先的取得権に関しまず会社の権利を、その次に社員の権利についてスペイン資本会社法の第109条の内容から逸脱するようなシステムを確立する定款の変更を、マドリッド商業登記所に登記申請した。 登記官は、スペイン資本会社法の第109条は遵守義務条項であり、「手続きの開始時に優先的取得権を付与することは司法または行政手続き規則の変更を意味する」と主張し、両手続きは公の秩序にかかる問題として前述の会社定款変更登記を拒否した。 前述の登記拒否に対する上訴の後、最終的に登記・公証局は2019年5月23日付にて問題となった定款条項の登記を許可する決定を下した。スペイン資本会社法第109条によって確立された司法制度はすでに説明したような他の制度に変更可能な修正対象条項であるとし、その全てはスペイン資本会社法の第28条に規定する自由の原理に基づくとした。   詳細を知りたい方はPedro Blanco(va@vila.es)までご連絡下さい。   バルセロナ、6月14日2019年

デジタルコンテンツ・サービス供給契約

2019年5月22日、デジタルコンテンツ及びサービス供給契約の一定の側面に関するEU指令第2019/770号が公示された。上記EU指令は、デジタルコンテンツ又はデジタル・サービス供給に関し、会社と消費者間において締結される契約に含まれるべき要件に関する一連の規制を取り扱っている。当該規制は、デジタルコンテンツ・サービス供給する事業者と消費者の間の契約が代金と引き換えに実行される場合に適用される。従って、サービスの提供が有償である場合は、本指令は、事業主と消費者の関係に影響を与える。 さてここでは、当該指令が、消費者が本供給に対して代金と引き換え(典型的な反対給付)ではなく、消費者の個人データ提供による場合にも適用されることについて具体的に言及しようと思う。 本指令の新注目点は、デジタルサービス供給者に対して消費者がほぼ無意識に提供する個人データの価値に重きを置いたことにある。しかしながら、消費者が提供する個人データが、他の目的に利用されることなく、コンテンツの供給又は法要件の遵守を唯一の目的として事業者によって使用される場合には、本指令は適用されない。 当然ながら、事業者がこれらのデータを他の目的のために、例えば商業上の直接又は間接的な使用を目的としていないことをどのように調査するのかを、我々は問う必要がある。 本指令の適用範囲は、消費者の要請に対しカスタムメイドされたデジタルコンテンツの開発契約や、デジタルコンテンツの配信者に排他的に役立つ救済措置にも同様に影響する。 事業者は、別段の取り決めがない限りデジタルコンテンツ又はデジタルサービスを契約締結後直ちに提供しなければならない。 以下に挙げる主観的・客観的な要件を満たしている場合に、デジタルコンテンツ又はデジタルサービスの提供は本指令に適合しているとみなされる。 a) 主観要件: 契約で定められたデジタルコンテンツ・サービスの数量、品質、機能性と、実際に供給されたものが一致していること。使用目的は契約書上消費者によって同意された目的に適合し、契約上定められた全ての付属品、説明書等とともに供給されること。 b) 客観要件: 本指令の規定条項のうち、デジタルコンテンツまたはサービスが契約締結時の要件への適合性が維持されるように、常に消費者に通知・更新しなければならない事業者の義務は言及に値する。デジタルコンテンツまたはサービス提供の契約期間中は当該義務を履行しなければならない。また、本供給が一度の行為(又は何回かに分割された行為)である場合は、コンテンツやサービスのタイプによって消費者が待機可能と「合理的に」判断する期間は、当該義務の履行を要する。同様に、別段の合意がない限り、デジタルコンテンツまたはサービスは、契約締結時に最新のバージョンで提供する義務がある。 「合理的」という文化的要素や、地域の習慣に関連し、普遍的な判断基準を持たず、各EU加盟国によってとらえ方が大きく異なるような用語がここで使用されていることは、特筆すべきであろう。 一度の供給行為又は一連の個別の供給行為を定める契約においては、事業者は契約が不適合となった場合の責任を負うこととなるが、本期間は2年を超えることはない。事業者に対し消費者が契約不適合の是正請求権の時効は、2年の期間内に明らかになった不適合性について本指令に規定する救済措置を請求することを認めるべきである。 一定の期間にわたって供給することを定める契約の場合には、事業者は供給契約期間内に生じる適合性について責任を負うとする。当該ケースでは、EU加盟国は供給契約期間内に発生又は顕在化した不適合性に対する救済措置を請求する権利を、消費者に認めなければならないという原則を適用する。 一般に、消費者のデジタル環境に関し消費者が契約を締結する前に事業者が明確に提供するデジタルコンテンツまたはサービスの技術的要件との互換性を説明しない限り、コンテンツまたはサービスの適合性に関する証明責任は事業者にかかる。 契約が適合していない場合に、本指令は以下の救済措置を定める。 事業者に適合を請求する。(適合性の欠如度合いに比例した)価格の値引き又は契約の解除。 デジタルコンテンツまたはサービスを適合させることが不可能である、又は、適合のためには事業者に過度のコストがかかる場合、消費者は契約を解除した上で、コンテンツ又はサービスが適合している場合に相応した金額での支払いを要求することができる。 契約解除の場合、事業者は、契約締結に関連し支払われた費用を全て返金しなければならない。一定の期間にわたって供給することを定める契約の場合は、供給されたコンテンツ・サービスが適合されていない期間に対応する期間の代金のみを返金する義務がある。 契約解除の場合、消費者は、サービスの提供またはコンテンツの作成のために、事業者に提供したデジタルコンテンツ(個人データ以外)を回復する権利を持つ。 本指令は、加盟国の国内法への置換の期限はを2022年1月1日と規定する。   詳細についてはEduardo Vilá (va@vila.es)までご連絡下さい。   2019年6月7日、バルセロナ