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株主総会招集通知 – 私的サービスで送付された招集通知の有効性 –

株主総会の招集方法については、定款にあらかじめその方法が定められている場合にはそれが厳格に守られなければならないという見解は、登記・公証局(DGRN)により繰り返し確認されてきた。これは、株主の株主総会に出席する権利を保護するためである。 2019年2月5日付官報で公表されたDGRNの決定では、招集通知の送付方法が定款で受領証明付き証明郵便と定められている場合に、郵便局ではなく一般企業が提供する受領確認付き郵送サービスを利用した招集通知は有効と言えるのかが問題となった。 この点DGRNは以下の見解を示し、本件の招集通知の有効性を否定した。 郵便サービスの自由化がされた後も、スペインの郵便局運営会社であるSociedad Estatal Correos y Telégrafos, S.A.(以下「郵便局運営会社」という。)がユニバーサルサービスを提供することができる状態にある唯一の会社であり、スペイン政府との間で上記ユニバーサルサービスの提供に関する契約が結ばれている。そして、法の規定により、配達、引渡し及び受領又は受領拒否、配達不可能等に関する事実及び証拠の推定は、郵便局運営会社が発行する通知にのみ、これが働く。 本件においては、定款で招集通知の方法が「受領証明付き証明郵便による」と定められている。この点、定款であらかじめ招集方法が定められている場合、株主の株主総会出席の権利を保護するため、厳格に従わなければならない。 上述の通り、郵便局運営会社が発行する通知には配達、引渡し及び受領又は受領拒否、配達不可能等に関する事実及び証拠の推定が働き、これは訴訟での証拠力が認められている。それとは異なり、郵送のユニバーサルサービスを提供する一般企業が発行した通知の場合は、その証拠能力としての効力は私法によって規定される。 この違いを鑑み、定款に招集方法が「受領証明付き証明郵便による」と定められている場合、郵便局運営会社による受領証明付き証明郵便以外の方法で解釈をすることはできない。 Mika Tsuyuki より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2019年2月22日

企業秘密に関する法律が成立

2018年2月8日に、未公開の技術・ビジネス情報の保護に関する2016年6月8日の欧州議会および理事会の指令第2016/943号を、スペイン国内法に適用するための「企業秘密に関する法」の法案が法務省から提出された後、1年が経過した2019年2月6日、当該法案は上院にて可決され、成立した。 本法律の重要な点を再度確認するために本稿を作成する。法案からいくつか修正がされた点については、言及する。 法案の第1条によると、本法律の目的は企業秘密の保護とされ、企業秘密には「技術・産業・商業・組織・財務上、会社に関連するいかなる情報」と言ったような広範な定義がされている。企業秘密に該当するためには、以下の要件を満たしていなければならない。 秘匿であること。つまり、この種の情報を扱う環境において一般的に知らしめられていないこと、又は、簡単にはアクセスできないこと。 秘匿扱いすることによって、企業の実際の又は潜在的な価値が高まること。 情報の保有者が、秘匿にするための措置を設けていること 本法案第2条は、前第1条項を制限するものとして、合法とみなされる情報の取得方法を以下のように規定している。 発見又は独立して創造した場合 一般的にアクセス又は合法的な所有が可能な製品や対象物を元に、観察、研究、分析、実験して得た場合 従業員及び代表者より情報の使用権利を取得している場合 合法的な事業活動により得た場合 同様に、以下に挙げるようなケースの場合は、企業秘密守秘義務違反は民事訴訟の対象にならないとされる。 マスコミの報道及び多元主義の自由への尊重も含めた表現の自由の権利行使を実行する場合 一般公衆の利益保護の観点で、何らかの違反、不正、非合法的行為を見つけた場合 従業員がその代表者に知らせた場合。ただし、当該代表者がEU又はスペインの法令において認められている合法的な機能の行使の範囲内である場合に限る。 法律で合法であると理解されている利益保護を目的とする場合 他方、同法律案第3条は、不法行為として以下を挙げている。 職業上守秘義務を含むいかなる書類、物体、材料、物質その他の媒体を許可なく取得すること。状況にもよるが、商慣習に反するとみなされるいかなるその他の行為。同様に、人が不法に使用していたと知りながらも、直接又は間接的に職業上守秘義務がある情報を入手することを含む。 不法に取得、あるいは、守秘義務違反によって取得した企業秘密を使用又は公開した場合。 法に違反している製品の製造、供給又は商品化や、当該製品を輸入、輸出、又は仕入れること。 第4条及び第6条は企業秘密の権利保持者に対して当該権利の譲渡又は独占又は非独占的な使用許可の付与の可能性を開いた。 法案第5条では、企業秘密の守秘義務違反に対して取ることができる民事の行為について規定されていた(企業秘密守秘義務違反の宣言、違反行為の停止命令、商品の押収、不法に取得された企業秘密の除去、違反商品の所有権の帰属(この場合、損害賠償金に上乗せされる)、故意又は過失が存在した場合の損害賠償、判決の全部又は一部の公表又は頒布)。しかしながら、この点については第9条に移され、法律第5条は職業上の秘密の共有制度を定めている。 法案の第7条は、上記民事訴訟請求の時効を、行為が行われた時点から3年とする時効について定めていた。しかし、この点は法律では第11条に移され、法律第7条は権利又は権限のない者から、悪意にて職業上の秘密を譲受けた者又は使用許可を受けた者の責任について定めている。 第9条は、当事者適格について定めている。当事者適格を有する者は以下の者である。 企業秘密の所有者 情報を開発・利用をする独占的もしくは、非独占的なライセンスを取得していること明示的に証明できる者。 法律第3章、つまり第20条以降は、第9条の措置に基づき、損害賠償に対応するための十分な安全性を確保しなければならない将来的に起こりうる予防措置を規定している。 最後に、付随条項第5に従い、本法律は近日中になされるであろうスペイン官報での公布がされてから20日後に施行される。 Pedro Blanco Guardado より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2019年2月15日

つかの間の住居賃貸借法改正

I. 導入 2018年12月19日、2018年12月14日付勅令法第21/2018号「住宅及び賃貸借に関する緊急措置法」が施行されたが、2019年1月22日のスペイン国会下院総会での承認手続きを通過せず、議院の合意によって廃止された。 II. 廃止された法令で導入されていた措置 当該勅令法が有効であった35日の間、勅令法第1章により、1994年11月24日法律29/1994号「都市住宅賃貸借契約に関する法律」(以後「LAU 1994」とする)の様々な規定が改正され、いくつもの措置が適用可能となっていた。その中でも以下の内容は言及するに値する。 a) 賃貸借契約の義務的更新期間について、賃貸人が自然人である場合は5年、法人である場合は7年とした。 b) 黙示の契約更新について、契約期間の満了日又は契約更新期間の満了日で、かつ、義務的更新期間が経過した時点において、当事者のいずれからも賃貸借契約の更新を行わない旨の意思表示がされなかった場合、さらに3年間契約期間が更新されると規定した(2013年に導入され毎年更新に代わるもの)。 これにより、2013年6月4日法第4/2013号「住居の賃貸借マーケットの柔軟化及び推進に関する措置法」による自由化の前に規定されていた期間が回復されることとなっていた。 c) さらに、長期の賃貸借である場合を除き、賃貸人が要求することができる1ヶ月の保証金以外の敷金の上限を2ヶ月分の賃料と固定していた。この敷金は預け金又は銀行保証のいずれかによって提供される。 d) 不動産業者の手数料や契約作成にかかる費用は、賃貸人が法人の場合には賃貸人が負担するものとされていた。ただし、賃借人の直接の指示によってそれらのサービスが契約された場合は除く。 III.  2019年1月24日以降有効な規定 勅令法が廃止されたことに伴い、住居の賃貸借契約は、2013年の自由化により施された改正がされたLAU1994によって再び規定されることになった。 とりわけ、以下について言及する。 a) 賃貸借契約の義務的更新期間は3年に戻ることとなった。 b) 黙示の契約更新については、契約期間の満了日又は契約更新期間の満了日において、当事者のいずれからも賃貸借契約の更新を行わない旨の意思表示がされなかった場合の契約更新期間は1年間に戻された。 賃貸人が要求することができる1ヶ月分の賃料の保証金以外の敷金については、当事者の合意によるものとし、上限がなくなった。 c) 不動産業者の手数料や契約作成にかかる費用は、当事者の合意によって負担する者を定めることとなった(実務においては賃借人とされることが通常である)。 IV. まとめ 賃貸借契約に関する規制がスペインの政治家の議題として予定されている問題であることは疑いようがなく、賃貸人と賃借人の法的地位のバランスを定める短期又は中期の改正を待たざるを得ないだろう。 Carla Villavicencio より詳細な情報につきましては下記までご連絡ください。 va@vila.es 2019年2月1日