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不当な当座貸越条項

当該記事では、スペインのKutxa銀行が有担保ローン契約に規定していた、当座貸越利用の際、若しくは、支払遅延債務にかかる30ユーロの手数料が不当条項であるかの判断を示した2019年10月25日付スペイン最高裁判所の直近の判決(第566/19号)の内容を検証しようと思う。 上記手数料を理解するには、スペイン中央銀行によって規定された以下に挙げる要件を満たす場合、スペインの銀行関連の法令は、前述のような条項をローン契約書に含むことを各銀行に許可していることに留意する必要がある。 -手数料発生は、銀行が、債務者たる顧客に実際に債務の支払請求を実行しているかに係る。 -一つの債務残高に対し、銀行が追加支払い請求を実行したとしても、再度手数料を請求することはできない。例え弁済期日までに弁済がなく、同様のことが何度も連続して起こったとしてもそれは同様である。 -手数料額は定額でなければならず、債務金額の百分率計算であってはならない。 -自動決済の適用は不可。 手数料条項の合法性に基づき上記条件を満たしているケースとして、ここで最高裁判所判決が問題としたのは以下に記載する条文、「(当銀行は)融資若しくはクレジットの各未弁済状況、及び各当座貸越し状況に沿って、顧客に正常化を請求する適切な(正当な記録の存在する)個別措置を実行した場合、延滞債務若しくは当座貸越状態への請求手数料として、30ユーロの手数料を口座決済できる」であった。 本条項の文言を分析した上で、最高裁判所は、「サービス(「適切な措置」)の内容が定義されていないことにより、当座貸越または債務状態が起こった場合に銀行にどのような措置、サービスの提供が義務付けられているのか不明、且つ、当該対応により費用が発生すること、及びその金額も不明である。更には、前述の内容の不明確さは、2つの内容の重複を引き起こす。債務状態であるための遅延利息請求に、当該債務状態であるための手数料を請求することは、改正スペイン消費者・利用者法第85条第5項及び第87条第5項”不均衡な補償及び未提供サービスに対する請求条項”違反に相当する。」と結論付けた。 同様に、銀行による措置の不在、及び措置に係る費用の契約書不記載に関する借主の立証責任にも言及し、これを改正スペイン消費者・利用者法第88条第2項違反であるとし、当該義務は、銀行が負うべきものであるとした。 最後に当該判決は、有担保ローン契約に限らず他のクレジット及び当座預金口座にも適用されることから、無効とされた条項の革新的な性質には注目する価値がある。     本文の詳細に関しては以下までご連絡ください。 Jaime Madero va@vila.es   2019年11月8日 バルセロナ
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係争中債権の譲渡について

今回のごく短い記事では、係争中債権の解除請求に関する直近判決、2019年9月13日付スペイン最高裁判所第464/2019号判決を例に係争中債権の取扱いに関し考察することにしようと思う。 債権譲渡に関しスペイン民法第1535条は、以下を規定する。 「債務者は、係争中の債権を売却すること、つまり、支払金額、発生した費用及び、 支払日からの利息債務を譲受人に払い戻すことにより、本債権に対する解除権を有する。 債権は、同債権にかかる係争が提訴され被告によって受理され時から係争中債権とみなされることとなり、債務者は、譲受人の支払請求日より9日以内に解除権を行使することができる」 本件は、2011年法人Aが原告ら(自然人)に対し、結果として未回収となったローンの貸付けを実行したことに発端する。2013年法人Aは本件債権回収裁判を提訴し、両者は数年間にわたる分割 (月) 払いする判決執行に合意した。 2014年法人Aは、本件債権を法人Bに譲渡した。2015年原告らは法人Bに対し、本件債権は係争中債権であるとして債権解除請求を提起した。 第一審、第二審においては、原告の請求が認められた。法人Bが法人Aから購入した債権を原告は取戻す権利を有することに言及し、法人Aに対し価格を払い戻すことで債権は解除されるとの判断を示した。 法人Bは、民法第1535号の解釈に関する最高裁判所判例(1991年2月28日付最高裁第149/1991号判決、2006年2月28日付第192/2006号判決及び、2008年10月31日付第976/2008号判決)を例に、係争中債権のコンセプトに関する判例法主義に反するとして、本件を上告した。 上告人である法人Bは、具体的には、譲渡時には本件譲渡債権に関する判決は確定しており、債務支払い合意に沿って回収が実行されていた。故に、本債権を係争中債権とはみなすことはできないと主張した。 最高裁判所は、民法第1535条は、係争中債権とみなされる起算日(被告による訴状受理日、本件の場合、答弁書提出期間が経過した日)を規定しているものの、完了日を規定しない、と直近の判決にて言及した。そして、係争中債権の完了日を決定するために、1969年12月16日付最高裁判決第690/1969号を引用し、確定判決、若しくは、下級審判決を支持する上級裁判所判決及び債権執行、または当該ケースのように他の取引の合意に至ったことによる債権執行手続きが停止した場合を挙げた。 即ち本件の債権譲渡時には、本件債権は、確定判決によってその存在、執行可能性、金額が確定されていたことから係争中債権としての性質を有していなかったとし、係争中債権としての解除権請求を却下した。     より詳細な情報につきましては、下記までご連絡ください。 Carla Villavicencio va@vila.es  …
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“移籍”のコンセプトの変遷と リーガエスパニョーラの契約“終了”条項

去る9月マドリード高等裁判所は、Sevilla F.C.(以下「セビージャ」という。)対 Unión Deportiva Las Palmas(以下「ラス パルマス」という。)間の紛争「ヴィトロ事件」に関する判決を下した。本件は「ヴィトロ」ことビクトル・マチン選手が2017年7月にセビージャからAtlético de Madrid(以下「アトレティコ」という。)へ移籍した際の、ラス パルマスが有する経済的権利に発端する。総額410万ユーロに上るラス パルマスへの支払いをセビージャに命じたフットボール仲裁裁判所(リーガエスパニョーラ機関)の裁定を不服として、セビージャは前述の裁判所に提訴したが、以下の事項を理由に申立ては却下された。 2013年ラス・パルマスとセビージャの間で、ヴィトロ選手のセビージャへの譲渡契約を300万ユーロにて締結した。本契約書第2条第3項には、条件を特定することなく、同選手の将来の「移籍」時にラス・パルマスが移籍金の12.5%を受領するという規定があった。 2017年7月、ヴィトロ選手はアトレティコと合意に至ったため、セビージャとの間に存在する契約の撤回条項(誤って「終了条項」と命名されている)に規定された金額にあたる総額(3,500万ユーロ)を納入する権利を行使した。しかしながらセビージャは、今回の移籍は選手個人の決断によるものであり、彼らがみなす「移籍」には該当しないとして、ラス・パルマスに対し本移籍にかかる規定パーセンテージの金額を支払わなかった。(セビージャ側は「移籍」とは、両クラブと選手の3者間合意によるもの、と主張した) ラス・パルマスは、当該状況を不服としてフットボール仲裁裁判所判断を仰いだ。仲裁裁判所は仲裁過程の中で、問題となっている条項(ヴィトロ選手のセビージャへの譲渡契約第2条第3項にある)「移籍」という文言のコンセプトは広い意味解釈されるべきであり、選手自身による退団の決断と他クラブとの契約等を含む、あらゆる退団理由が当てはまるとみなす、と結論付けた。 上記フットボール仲裁裁判所による裁定をを不服として、セビージャはマドリード高等裁判所に提訴したが、原告側の脆弱性の欠如、仲裁裁定が公序良俗違反に該当しないこと、裁定無効の申立ての性質自体の問題追及の不可能さにより、最終的に却下された。 これにより、セビージャはラス・パルマスに410万ユーロに利子を付した金額及び、仲裁手続き費用を支払うことを最終的に命じられた。さらに、高等裁判所に対する仲裁裁定無効申立て費用も負担することとなった。しかし、当該判決は憲法裁判所で争われる可能性があるだろう。 本件は少なくとも、リーグ定款第92条規定によりフットボール仲裁裁判所に委ねるべき問題に関し、今後クラブと選手間の契約書内における「移籍」のコンセプトを解釈する際に重要な先例になると考えられる。     より詳細な情報につきましては、下記までご連絡ください。 Andreas Terán va@vila.es  …
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株主総会議案に記載のない取締役の解任

スペイン登記・公証局は2019年7月23日付決定において、マラガの商業及び動産第三登記官による登記拒否に対する不服申立に関し、ある会社の株主総会により採決された特定の決議登記を認めた。 本決定の興味深い点は、株主総会議案に記載ないながらも株主75%の賛成票により採択された共同代表取締役の解任合意である。本決定を分析するためには、スペイン会社資本法第223条「議案にその記載がない場合でも、株主総会においていつでも取締職を解くことができる」を留意する必要がある。 また、本件会社の定款は以下を規定している。 「取締役は期間の定めなくその職務を遂行するものとする。ただし、株主総会によっていつでも解任することを可能とする」 取締役の解任に関する前述の2条項から、我々は次の結論を導くことができる。 株主総会において、常に解任可能である。 株主総会議案に議案として記載する必要はない。 しかし、本件株主総会は上記2条項の拡大解釈をし、共同代表取締役の解任後に新たな共同代表取締役を選任するのではなく、一人取締役会社への組織変更を推進したのである。 そこで本決定は、会社におけるトップ不在、若しくは会社機能の停止を避ける目的で、会社資本法第223条及び、本会社の定款第13条の解釈は、取締役解任及び選任の許諾に関する規定であり、株主総会議案に記載ない場合は会社組織変更に適用されないとしたマラガの登記官の判断を妥当であるとした。 結論として、株主は取締役を解任し新たな取締役を選任することができる一方で、株主総会議案に記載のない場合は、会社組織の変更を行う権限はないとした。(1955年10月19日付決定及び2015年3月6日付決定も上記判断と同様の解釈による。)     より詳細な情報につきましては、下記までご連絡ください。 Pedro Blanco va@vila.es   バルセロナ、2019年10月18日
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